日本ハムは“新庄スペシャル”がさく裂して、今季初の3連勝を決めた。

3回先頭の五十幡が中前打で出塁。続く江越の初球で二盗に成功した瞬間、新庄剛志監督(51)の勝負勘が敏感に反応した。

新庄監督 (西武先発のエンスは)セカンドのけん制がないので、とりあえず五十幡君には(三塁へ)走らしてみようと。で、走らせたらスクイズで1点。

五十幡は江越の5球目で三盗に成功。フルカウントになっていたが、指揮官は迷わない。予定通りにスクイズのサインを出した。

五十幡は「スクイズか! とは思ったけど、びっくりしなかった。しっかりできることをやろうと、慌てることなく冷静に自分の走塁ができた」。昨季もあったフルカウントからのスクイズ。1年かけてチームに浸透させた新庄野球に、今季から新加入の江越も「気合でやりました」。三振ゲッツーなどのリスクを背負ってでも、先取点を奪いにいった理由があった。

新庄監督 先に1点を取って、伊藤君にちょっとプレッシャーをかけるじゃないけど、「この1点を守りきりなさい」っていう意味で、なんとか先にね。

伊藤の心を燃えさせるためにも仕掛けた“新庄スペシャル”から打線も7得点を挙げ、道産子右腕も今季初勝利を挙げた。

新庄監督 得点数1位になったんじゃない? 去年からいろんな経験をさせて(選手は)めちゃめちゃ成長していますよ。パ・リーグを盛り上げるためにも(今カード)3連勝したい。

これでチーム総得点は「92」で12球団トップ。勢いに乗って上位浮上へのゴールデンウイークとする。【木下大輔】