大商大が大経大を5-2で下し、3季連続Vを果たした。勝ち点を取った方が優勝となる16日からの直接対決で大経大に連勝。勝ち点4で並び、勝率で上回った。今春は主将でエースの上田大河(4年=大商大)がフル回転で躍動。6月5日開幕の全日本大学選手権に出場し、同6日の初戦(東京ドーム)で愛知大学リーグの優勝校と対戦する。

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ゲームセットの瞬間、大商大ナインは勢いよくベンチを飛び出した。歓喜の輪をつくり、喜びを爆発させた。勝てば優勝が決まる大一番。1-1の6回に薮井駿之裕捕手(3年=大阪桐蔭)が勝ち越し打を放ち、その後も着実に加点した。

チームの軸は、16日の大経大1回戦で完封するなど5勝を挙げた主将でエースの154キロ右腕上田だ。「勝ってほっとしている。下級生の頃からで実戦経験を積んだからチームをまとめないといけない」。志願して主将に就任。昨秋の明治神宮大会ベスト4の悔しさを晴らしたかった。「日本一まであと2勝で負けた。日本一を取りたかったしいけると思っていた。自分が主将になってもう一度神宮に戻ってこようと志願した」。

富山陽一監督は「おまえで負けたら仕方ない。キャプテンでエースって何か違う思いや重圧がある」と苦労を理解してくれる指揮官だ。試合前に2人で「勝ったら握手しよう」と決め、優勝が決まると男同士の約束を果たした。上田は16日に続いてマウンドに上がる準備をしていたが、2年生の左腕・福島孔聖投手(広陵)、松林幸紀投手(1年=広陵)、鈴木豪太投手(2年=東海大静岡翔洋)の後輩3人が「上田さんを(連投させたくない」と2失点継投で白星を呼び込んだ。今春は京産大戦の2敗以外はすべて白星を飾った。有言実行で、昨秋つかめなかった全国制覇を果たしにいく。【中島麗】

 

○…関西6大学野球連盟は17日、春季リーグの表彰選手を発表し、最優秀選手は大商大の松田直生捕手(3年=大商大高)が選ばれた。最優秀防御率賞は大商大の上田大河投手(4年=大商大高)が1・33で、首位打者は大院大の秋田陽大内野手(4年=金沢龍谷)が4割6分7厘で獲得した。ベストナインは以下の通り。▽投手 上田大河(大商大4年)▽捕手 山本陸(京産大3年)▽一塁手 河西威飛(大商大3年)▽二塁手 谷口聖弥(大院大3年)▽三塁手 内倉一冴(龍谷大4年)▽遊撃手 秋田陽大(大院大4年)▽外野手 藤本成翔(大経大3年)、福島大輝(大商大3年)、柴崎聖人(大経大3年)▽指名打者 該当者なし。