右肋骨(ろっこつ)骨折の重傷を負いながら、阪神近本光司外野手(28)はなぜ、早期復帰できたのか。その舞台裏に迫る。
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近本は2日の巨人戦(東京ドーム)で高梨から右脇腹付近に死球を受け、翌3日、兵庫県内の病院で「右肋骨(ろっこつ)骨折」の診断を受けた。それでも夜には4日からの広島戦(マツダスタジアム)に備え、新幹線で広島入り。最終的には4日午後4時に出場選手登録を抹消され、球団広報付き添いのもと広島駅から帰阪した。
プロ野球選手は、骨折しながらでも試合に出続けられるものなのか? そんな疑問に近本は鳴尾浜でのリハビリ中、あっけらかんと答えた。
「そんなもんちゃう? 誰しも、ケガを持ちながらプレーしてるもんやしな」 プロ5年目、その前提が心の中にある。鳥谷敬氏や福留孝介氏ら一流の先輩を間近で見てきた。自身の体とどう向き合い、ケガと付き合っていくか。野球を職業としている者の宿命は、身に染みて分かっているつもりだ。
だからこそ、すぐに動いた。関学大時代から個人トレーナーを務める植松弘樹さん(28=MTXアカデミー所属)に連絡を入れたのは、診断結果が判明した直後。「骨が早く治る最新の方法を教えて」とLINEを送った。
植松さんからは「骨を早く治す方法」と題したテキストメッセージが送られてきた。骨折部に刺激を与え、修復を促す効果が期待される微弱超音波を流す治療器具も届けられた。成長ホルモンの分泌を促進する効果があるといわれる腕、脚の付け根をバンドで縛っての加圧トレーニングも実施。カルシウムの吸収を促すビタミン類の摂取も欠かすことはなかった。体の内外から「骨折を早く治す方法」を実践してきた。
ファン投票最多得票で選出された球宴を辞退したことで、出場選手登録抹消期間中に1軍が10試合を消化していないと、後半戦開幕ゲームには出場できなかった。近本がリハビリ中に1軍は11試合を消化。前日22日のヤクルト戦が実質“最短復帰”だったといえる。 2軍鳴尾浜球場で過ごしたのは5日から16日までの12日間。チーム練習がなかった17日からは甲子園で体を動かし、準備してきた。ケガと向き合い周囲の助けも借りながら、想定通りに近い形での超速復帰。最初から「いかに早く復帰するか」しか考えていなかった男だから、復帰2戦目、足で守備で躍動することができた。【阪神担当 中野椋】



