二塁に到達すると両手を突き上げ、笑みがこぼれた。阪神渡辺諒内野手(29)が今季初の決勝打を放ち、伝統の一戦を決着させた。
主砲の佐藤輝に代わり、7月17日の巨人戦(東京ドーム)以来の3番でスタメン出場。そして巡ってきた5-5の7回、1死満塁の絶好機。巨人の左腕、高梨の初球、142キロ外角のツーシームを迷いなく振り抜いた。打球は左中間を深々と破り、一塁走者の中野まで一気に3人を迎え入れた。
「3打席、4打席ある中で、その前ツーシームで三振して、4打席目に初球のツーシームを打てた。そういう駆け引きもスタメンじゃないとできないことなので、そこはよかったです」
5回の第3打席で、左腕の今村から空振り三振に倒れた変化球に狙いを定めていた。先発出場だからこそ、前の打席を生かすことができる。「良い場面で回してくれて、しっかりかえせたのでうれしかったですね」と胸を張った。
岡田監督も舞台裏を明かしながら絶賛した。「最高のね。あそこで右(投手)が来たら佐藤(輝)を用意してたんですけど」。左腕高梨の続投でそのまま打席へ。チャンスは逃さない。
敵地に響いた新応援歌に乗った。前川とともに個人のヒッティングマーチが完成し、9日の広島戦(京セラドーム大阪)から運用がスタート。22年まで所属した日本ハム時代とは異なり、呼び名は「渡辺」から名前の「諒」になった。「阪神に来て、自分の応援歌を作ってもらうのが夢でもありました。すごく良い応援歌。そこで打てるように頑張りたい思いが強くなりました」と感激。「諒」を絶叫してくれる熱い声援に、最高の一打で恩返しした。
4回に木浪が放った右翼線への3点二塁打に続き、珍しい1試合2度の「満塁走者一掃」を記録。前日の0-1完封負けのうっぷんを晴らすように打撃戦を制した。ヒーローインタビューも受け「勝ちに貢献できてよかった。3戦目も全員で勝ち越しを決めたい」と必勝宣言。3番渡辺も強力な新オプションだ。
【村松万里子】



