夏が来れば、乗ってくる。浅野翔吾外野手が「プリティフライ」の登場曲に合わせ、打席に向かった。夏の甲子園5試合で4本塁打を放った高松商のチャンステーマで気持ちを高める。故郷から届く応援が力になる。その感謝も込め、母校の“魔曲”をイースタン・リーグ後半戦から出ばやしとした。

両チーム無得点の4回2死満塁だった。カウント1-1からの3球目。阪神及川の129キロスライダーを芯で拾う。打球は左翼席に吸いこまれた。プロ2本目となる今季1号は、プロ初のグランドスラム。「先輩方がつないでつないで回してくれたチャンスだったので絶対に点につなげるんだと臨みました。最高です」と喜びに浸った。12日に離脱したヘルナンデスに代わって1軍昇格。4月6日DeNA戦以来4カ月ぶりスタメン出場で結果を導いた。

東京ドームでのプロ初アーチだった。何度も思い浮かべた理想だった。イメージトレーニングを日課とし、巨人の本塁打集を見る。岡本和の打球がバルコニー席に飛び込む映像などを見て「自分もプレーで盛り上げたい」と目指す将来像を重ねてきた。打撃に頭を巡らせながら、部屋のあるイチロー氏のバットを握り、窓に映る自分の構えをチェックする。

開幕1軍も9打数0安打で4月8日に2軍降格した。ファームでは「野球脳を鍛える」を意識した。来た球を強く振るスタンスだったが、データの使い方も覚えた。投手の球種の割合も頭にインプットし、狙い球を絞る。以前は心臓がバクバクしてた次打者席でも緊張しない。今季最後の東京ドームでの伝統の一戦。最高の「浅野」コールを全身で浴びた。【上田悠太】

▼19歳8カ月の浅野がプロ入り初の満塁本塁打。10代で満塁弾を放ったのは19年7月3日村上(ヤクルト)以来16人、18本目となり、セ・リーグでは6人、7本目(1リーグ2人、2本、パ・リーグ8人、9本)。巨人では08年4月6日に19歳3カ月で打った坂本に次いで2人目。王の初満塁弾は20歳3カ月、松井は21歳0カ月で、2人は10代のうちに打てなかった。浅野はスコア0-0からの1発で、これがV打点。セ・リーグで10代の「満塁Vアーチ」は、13年8月1日高橋周(中日=逆転)に次いで2人目だった。

【関連記事】巨人ニュース一覧

【動画】巨人浅野翔吾、今季初ヒットが先制満塁ホームラン 次世代のスターが歓喜の渦へ