昨季新人王に輝いたオリックスの4年目右腕、山下舜平大投手(22)がフリートークで語る日刊スポーツの独占コラム「ペータの部屋」。8月18日の日本ハム戦で待望の初勝利から復活の3連勝。コラム第3回は苦しんだ1勝までの道のりを語ってくれました。【取材・構成=大池和幸】
日刊スポーツ読者の皆さん、オリックスの山下舜平大です。開幕してからチームに迷惑かけてばかりでしたが、8月の日本ハム戦で1勝できました。長かったです。勝たずにシーズンが終わることだけは嫌でした。すぐに結果が出れば苦労はしないと思うので、そういう難しい時期があるものだと思って常に野球はやってます。けれど、時間がかかりました。今までで、一番しんどかったです。
去年の夏頃に腰を痛めて3カ月くらい投げられない時期がありました。それによる感覚的な大きなズレがありました。プロ2年目の春に腰を痛めた時も、そんな感じ。またそれかなと思ったんですけど、今回は戻るまで長かったです。
原因が分かればすぐなんですけど、分からないからいろんなことを試しました。ああでもない、こうでもないと。ここが硬くなってるから、こういう投げ方ができてないとか。例えば柔軟性だったり、筋力だったり。腰痛で投げられない時期に筋トレばっかりやってたので、大きくなった体で復帰して感覚のズレが大きかったかもしれません。ただ、そのせいにはしたくない。けが中のコルセットで固まった可能性もある。本当に分からないですね。
一つ言えるのは、現状維持のためにはやっていないということ。今まで以上のパフォーマンスを出すためにやっているので。やってみないと、分からない。1年や2年後を見てるわけじゃなくて、これから5年後に、あの時トレーニングしていて良かったなと思えればいいなと思います。
実際にシーズン中の体重は、去年より落ちにくくなってます。シーズン中はトレーニング量が減ってしまい、体重が落ちるのが体力面できつかったりする。今は102キロくらい。去年は98キロとかでした。
4月19日のソフトバンク戦で8点取られました(※プロ最多失点で4回KO)。打たれないために練習するんで、そこに対しては悔しかったですけど、気持ちが折れてはなかった。逆になおさら欲が出るというか。登録抹消になりましたけど、もっと練習したいとかそういう気持ちでした。
1勝する1週間前の(2軍)くふうハヤテ戦に先発して「これ、行けるな」と思いました。いろいろ試しながらやっていて、急にキャッチボールとかで変わったので。キャッチボールのままブルペンで、ボール自体が変わった。感覚的にもいいなと思いました。
ざっと言うと、シンプルに。足を上げて、動きをコンパクトにして、ただ投げるだけみたいな。たどり着くまで何周もしました。何が正解か分からないので。遠回りとは思ってなくて、いい経験ができたなと。
勝てない時、チームメートの皆さんが気にかけてくれました。たまに声をかけてくれるだけでずいぶん違った。自分も後輩とかに、そういうことができる立場になりたいなと思いました。(一時転向した)中継ぎの大変さも知りましたし、チームがこういう状況にあるのも自分の責任だと思ってるんで。少しでも多く貢献するのが、やるべきことだと思ってます。(オリックス・バファローズ投手)
◆山下舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身。福岡大大濠では甲子園出場なし。20年ドラフト1位でオリックス入団。3年目の昨季は1軍戦初登板で開幕投手を務めた。西武を相手に5イニング1/3を1失点も勝敗無関係だった。シーズン16試合に登板し9勝3敗、防御率1・61。新人王を受賞した。名前は20世紀前半の経済学者、ヨーゼフ・シュンぺーターにちなむ。190センチ、100キロ。右投げ右打ち。愛称は「ペータ」。



