今季限りでの現役引退を表明したオリックス一筋19年のT-岡田外野手(36)が10日、京セラドーム大阪で引退会見に臨んだ。通算204本塁打の大砲は、紺色のスーツとネクタイ姿で会見場に現れ、第一声で感謝の思いを口にした。
「19年間、本当にたくさんの方々に支えられ、助けられ、ここまでやってこられた。感謝してもしきれない。幸せな時間でした」
背水の覚悟で臨んだ今季。「今年1年結果が出なければユニホームを脱ぐ」という決意を胸にひめ、3年ぶりに開幕1軍入り。だがわずか3試合の出場にとどまって4月中旬に2軍に降格し、再昇格はかなわず、8月中旬に引退を決断した。「納得してユニホームを脱ぐことができた。スッキリしている気持ちが一番大きい」とうなずいた。
NPB最長タイとなる現役での1軍実働年数が29年の中嶋聡監督(55)に引退を報告した際は「『もうあと10年…』と言われたので『監督とは一緒にしないでください』とは言いました」と笑顔で明かした。
10年に33本塁打でタイトルを獲得するなどブレークのきっかけとなった「T-岡田」の登録名の生みの親、阪神岡田彰布監督(66)にも電話で報告。「お疲れさま。よう頑張ったな」と労われた。当時は会話の機会は少なかったが「そう言ってもらえるだけで19年間しんどいこともすごく多かったけど、報われた感じはありました」と感謝した。
今季ホーム最終戦となる24日の西武戦(京セラドーム大阪)後に引退セレモニーが実施される予定。今後については「どういう形になるかわからないですけど、お世話になったオリックス・バファローズの力になりたい」と恩返しを誓った。球団からはコーチ就任を打診されている模様だ。
現役生活の終盤はベテランとして若いチームを支え、リーグ3連覇にも貢献。後輩から「Tさん」の愛称で親しまれた背番号55は最後まで涙は流さず、笑顔で会見場を後にした。【古財稜明】
◆T-岡田(てぃーおかだ)本名・岡田貴弘(おかだ・たかひろ)。1988年(昭63)2月9日生まれ、大阪府出身。履正社から05年高校生ドラフト1巡目でオリックス入団。10年に現登録名に変更し、33本塁打でタイトルを獲得した。同年外野手でベストナイン、14年には一塁手でゴールデングラブ賞を獲得。187センチ、100キロ。左投げ左打ち。
▽オリックス中嶋監督(引退するT-岡田について)「お疲れさんしかないですね。長いシーズンの中で優勝できたというのは非常に大きい財産だと思う。その中で中心的な存在でもあった。本当に優しい人なんだなと思いましたし、敵の時は1発の怖さがずっとあった。いい選手でした」



