阪神森下翔太外野手(24)がプロ初の2戦連発となる決勝弾で、大逆転Vへのムードを最高潮に高めた。2-2同点の5回、難攻不落の左腕東から左翼へ14号ソロ。7回の右翼守備ではレーザービームで本塁補殺を決めるなど、攻守で甲子園7連戦の初戦快勝を導いた。打点王も射程圏でトップの巨人岡本和の68に1差に肉薄だ。勝った首位巨人との2・5差は変わらずだったが、2位広島にいよいよ0・5差。残り15試合、ミラクル連覇へ突き進む。
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森下が大仕事をやってのけた。4回に2-2に追いついて迎えた5回1死。DeNA東のスライダーを完璧に捉えた。高々と上がった打球が左翼席に着弾すると、右手人さし指を天に突き上げた。「変化球がバットに乗った感覚があった」。千金決勝の14号ソロはプロ初の2戦連発。甲子園の大歓声に祝福された。
有言実行だった。前日9日から「初戦が大事」と意気込み「甘い球を1球で捉えないと崩せない」と気合十分だった。今季2試合は7打数1安打と苦しめられ、この日も2打席凡退。反省をもとに速球と緩い変化球のどちらにも対応するべく、「ほんの少し足の着く時間を長くした」という研究と工夫が見事決まった。
背番号1の1発が流れを呼び込み、チームも6回までに5得点。昨年から32試合続いていた東のクオリティースタート(6回以上自責3以内)を止めた。森下自身は今季甲子園6発目で、肩書付き弾はチーム最多の8本目。6試合連続打点となる67打点で、1位の巨人岡本和に1差に迫った。
新たなルーティンが好調を支えている。長期ロード前の7月から打席の振り返りをメモ。紙に書き留めるのは初めてだった。「やったことを感覚だけで終わらせないためです」。打席での意識と結果を寮に戻って考えを整理。新たな引き出しにもつながっているという。「書いたことを次の練習の時に意識してみて、違うなと思ったら、別のところの振り返りを見て、また自分でやっていく」。経験は血となり、肉となって、貪欲に進化を続けている。
強肩でも魅せた。3点リードの7回無死二、三塁のピンチ。宮崎の右飛をつかむと、本塁へ矢のワンバウンド送球。三走オースティンを刺して失点を食い止めた。直前の攻撃では無死満塁で併殺打に倒れており、「失敗した現実があるので、なおさらうれしかった」と雄たけびを上げた。
連敗すれば4位に落ちた正念場、甲子園7連戦の初戦を白星で飾った。勝った首位巨人との2・5差はそのままだが、4位DeNAとの差を3に広げ、2位広島は0・5差に肉薄した。お立ち台で堂々と宣言した。「勝つしかないと思っている。ホームで7連戦できる強みを前面に出して7連勝したい」。乗りに乗っている男が、ミラクルVをけん引する。【村松万里子】



