阪神が佐藤輝明内野手(25)と前川右京外野手(21)の2者連続ソロでヤクルトを豪快にうっちゃった。
1点を追う2回、5番佐藤輝が右翼へ14号。続く6番前川も勝ち越し決勝、本拠地初アーチとなる4号を右翼へ運んだ。阪神左打者の甲子園2者連続弾は、05年の林威助と金本知憲以来19年ぶりだ。勝った首位巨人との2差は変わらずだが、3連勝で貯金は今季最多の10。若き2人が連続で描いた夢の放物線で、大逆転アレンパの機運はますます高まった。
◇ ◇ ◇
佐藤輝の豪快弾の熱気も冷めぬまま、再び右翼席に突き刺した。前川は右手を突き上げ、喜びを爆発させた。タテジマに袖を通して3年目。初の甲子園の大歓声を全身で受け止めた。
「感触はめっちゃよかったんですけど、打ったことなかったので、入るかどうかもわからなかった」
1点を追う2回、5番佐藤輝が同点ソロを放った直後だった。「ホームラン打った次は、だいぶ打ちにくい(笑い)」。それでもカウント3-1からヤクルト先発高梨の148キロ直球を完璧に捉えた。佐藤輝と同じような低弾道で右翼席へ2者連弾。8月11日広島戦以来、約1カ月ぶりの4号ソロで勝ち越しだ。岡田監督も「やっぱ試合出たくてウズウズしてたんちゃう? いい結果出たよ、本当なあ」と手放しでたたえた。
智弁学園(奈良)3年夏の甲子園では本塁打2本の大暴れで準優勝に貢献。あれから3年。これがプロでの甲子園初アーチだった。職場となった聖地は高校時代とは違う。「やりがいはあります」と前置きした上で、「プロは楽しいか楽しくないかと言われたら楽しくはない…(笑い)」。
昨季は悔し涙を流した日もあった。今季は初めて開幕スタメンをつかんだが8月に失速。9月も3日中日戦のヒットを最後に出場5試合無安打。「なんとかよくしたい」。現状打破へ、打撃練習では5グラムほど軽い中野のバットを借りた。「気分転換に。振りやすかったです」。13日に猛打賞で復調気配を見せ巡ってきたスタメン。酸いも甘いも経験した聖地は「成長させてくれる場所」だ。
ベンチではカモメポーズで祝福された。まゆげがカモメのように湾曲していることから、佐藤輝があみ出した。4日からは同ポーズのタオルが発売され、この日も猛打賞の活躍でPRに成功。「輝さんがつくってくれたので、感謝していっぱい打ちたい」とにっこり。お立ち台では「最高でーしゅ」とかわいらしく叫んで、盛り上げた。
昨季リーグ優勝した前日14日はサヨナラ勝ちで、03年に星野監督が宙に舞った15日のこの日も勝った。首位巨人に2差は変わらずだが、3連勝で逆転Vへのムードは最高潮だ。前川は昨年、無念の故障離脱で歓喜の輪にいなかった。「本当に悔しかった」。今年こそ、輪の中心で岡田監督を胴上げする。【村松万里子】



