阪神の育成ドラフト1位、工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が衝撃の甲子園デビューを果たした。
ビハインドの9回から登板。人生初の甲子園で、その初球、155キロの快速球を投げ込み、辻本倫太郎内野手(23)のバットを真っ二つにへし折った。打球は力なく遊撃前に転がった。
続く鵜飼航丞外野手(25)に対しては、12球の熱投を演じた。7球目にはこの日最速の157キロで観客をどよめかせた。自慢の直球を連投して押しまくり、オープン戦らしからぬ白熱した空間を作り上げ、ファンを一喜一憂させた。最後は抜いたスライダーで腰砕けの空振り三振に打ち取り、大きな拍手をもらった。
1安打無失点で初登板を終えた工藤はホッとした表情だった。
「甲子園は人生初だったんですけど広く感じて、打者が遠く感じて、すごくいい経験になりました。いい緊張感で投げられました。球場の声、応援、歓声はすごく耳に入ってきました。直球が高めに浮いたのは課題。初登板で力が入ってしまったところもあるので、次からは力まず、もっと楽に投げていきたいです」
1軍初実戦だった2月の練習試合では158キロも計測。キャンプからアピールを続ける剛腕に、藤川球児監督(44)も賛辞を惜しまなかった。
「やっぱり甲子園のファンの方の反応を見てもね。素晴らしいボールを投げていると思います。いつ見ても同じボール、同じ精度で投げるように心がけができている。みなさん(報道陣)同様に、チームの仲間もびっくりしているのではないかな、と思いますけどね、その存在の強さに」
支配下枠は残り4。開幕までに、14人いる育成選手の中から1人は昇格させたい意向がある。指揮官は「今だけが勝負ではなくて、この先、一緒に戦いたいという、そういうような投球に見えました。今終わったばかりですから、また考えたいと思いますね」と、支配下昇格の有力候補であることを、隠そうともしなかった。



