「たつとら」復活で待望の後半戦初勝利だ。日本ハム達孝太投手(21)が6回無失点と好投し、7月14日西武戦以来52日ぶりの7勝目を挙げた。ピンチの連続も、4試合ぶりにバッテリーを組んだ伏見に引っ張られて「第3章」と位置付けた初戦で踏ん張った。新人王候補の粘投で2年連続でロッテ戦のシーズン勝ち越しも決定。首位ソフトバンクとの2差を維持し、優勝マジック点灯を阻止した。
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達は悪夢と戦っていた。2回無死一、二塁のピンチを背負ったときだ。「ここ2試合が走馬灯のようによみがえってきて、打たれる気しかしなかった」。いつもの強気な発言も実は「繊細な心を、おっきい言葉でカバーしてるみたいな感じ」。集中打を浴びて失点した直近2試合が頭をよぎり、心はKO寸前だった。
勝負どころは気合と女房役のおかげで踏ん張れた。「マジで死ぬ気で投げたっす」。まずは送りバントを阻止する好フィールディングで自分を助け、後続はこの日の投球の軸となった直球とフォークで打ち取った。「寅威さんさまさまです」。7月31日ソフトバンク以来のコンビとなった伏見に感謝した。
今季7勝は全て「たつとら」バッテリー。達にとって「寅威さんのシナリオ通りにある程度投げてれば、ほとんどうまくいきますね」と不思議と好投に導かれる感覚があるという。
この日も的確なリードで救われた。3回1死一、二塁で迎えたソト。初球のスライダーは高く浮いたボール球になった。2球目の選択は「自分だったら、スライダーが良くなかったらとことんスライダー。感覚がつかめるまで1人のバッター(に対する結果を)捨ててでも行きたいとこだった」が、伏見にはフォークを要求された。
達にとっては意外な選択でも、操れていた落ち球で空振り。そして決め球もフォークで空振り三振。1発を打たれたくない場面での間違わない配球に「そういう選択肢もあるんだな」と勉強させられた。
最近はプライベートでも一緒に時間を過ごすことがある。「この前も2日連続で一緒にご飯食べに行ったんで(笑い)。(リードの意図なども)聞きましたよ。そのおかげで勝てたんじゃないかなと思います」。
これで後半戦初勝利。デビュー7連勝中を「第1章」、初黒星から前回登板までを「第2章」で区切り、今登板から始まった「第3章」初戦で7勝目。「あと3勝。行けそうですね、この勢いで」。新人王候補にも挙がる背番号16が、逆転Vへ向けて再び白星街道を突き進む。【木下大輔】



