阪神佐藤輝明内野手(26)が、タテジマ新記録を打ち立てた。

初回2死二塁で高々と打ち上げた飛球を右翼手が見失うラッキーな先制二塁打。今季90打点とし、田淵幸一や掛布雅之、岡田彰布ら歴代主砲がなし得なかった球団初、NPB史上9人目の「プロ5年目で400打点」を達成した。本塁打もキング独走の36本で今季は残り15試合。阪神では86年バース以来39年ぶりとなる2冠を、40発100打点超えの好成績で獲得する夢がふくらんできた。

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佐藤輝は打球を見上げ、一度はバットをたたきつけた。右翼の定位置付近に高々と上がった飛球。だが、球場に漏れかけたため息は次の瞬間、歓声に変わった。薄暮の夕暮れで、打球が最も見えにくい時間帯。DeNA蝦名は一向にグラブを構えることなく、打球はその後方にポトリと落ちた。「ラッキーでしたね」と振り返る先制の適時二塁打となった。

0-0の初回2死二塁。先発東の129キロスライダーを振り抜いた。今季90打点に伸ばし、プロ5年目以内では球団初の通算400打点を達成。球界全体でも長嶋茂雄や原辰徳、清原和博ら8人しか成し遂げていない。プロ入り即、主軸を担い、何人もの仲間をホームにかえしてきた強打者の勲章だ。運も味方に、23年にマークしたキャリアハイの92打点にもあと2に迫った。緩むことなく「あまりそういう風には思っていないです」と引き締めた。

両リーグ2冠を独走する36本塁打&90打点。シーズン換算で、ちょうど40本塁打100打点ペースだ。今春季のキャンプで明かした目標のひとつが「30本、100打点くらい」。残り15試合。2冠を獲得すれば球団では86年バース以来だが、当初の自己想定を超える40発100打点での達成にも期待がふくらんできた。

難敵左腕からは実に2年ぶりの安打だった。東とは今季2度目の対戦。前回8月27日は3打数無安打に抑えられた。昨季もCSを含めた5試合13打席でノーヒット。相性の悪かった左腕からともした23年8月18日以来のHランプで気分も乗った。5回2死一塁の第3打席では左前打。東からは5年目で初のマルチ安打で「結果はよかったんじゃないですか」と次回以降への手応えもつかんだ。

チームは7日にプロ野球史上最速のリーグ優勝を決めてから白星なしの2連敗。それでもCSで対戦する可能性もあるDeNA左腕との対決で、主砲が存在感を発揮した意義は大きい。「しっかり、やることをやって。それだけです」。次なる目標の日本一に向け、本塁打も打点も積み上げる。【波部俊之介】

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