日本ハムから阪神に島本浩也投手(32)とのトレードで移籍した伏見寅威捕手(35)が28日、正式契約を結び、兵庫・西宮市の球団事務所で入団会見に臨んだ。1年契約で年俸は現状維持の1億円。オリックス時代の宮城、日本ハム時代の達に代表されるように高卒の若手を一線級に導いてきた。球団が獲得した狙いも同じだ。高校の後輩の門別啓人(21)や今朝丸裕喜(19)ら有望株がひしめく若虎投手陣。「ブレーク請負人」の重要ミッションが始まる。
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正式に「虎の寅威」となった伏見は、黄色のネクタイで会見に臨んだ。謙虚な中にも、培った自信や信念がみなぎっていた。
「選手にとって、トレードはすごくポジティブなものだと思っています。皆さんが思っている以上の熱量で連覇に向かって、その戦力になりたいです」
坂本、梅野という球界随一の看板コンビとの競争が待つ。3人全員が最優秀バッテリー賞の経験者。3日前には坂本と都内の表彰式で対面した。「坂本選手、梅野選手ともすごくリスペクトをしています。お互いを高め合える関係でいたいです」と穏やかに語った。
オリックスで21年、22年にリーグ優勝に貢献。安定した送球など高い技術をそろえているが「ブレーク請負人」の評価がある。21年は高卒2年目の宮城を新人王に導いた。13勝の大半でコンビを組んだ。リーグ3連覇の期間に次々と若手投手が台頭。快進撃を強力にバックアップした。
日本ハムでは今季、高卒4年目の達の大活躍を引き出した。8勝のうち7勝でマスクをかぶった。達も配慮と技術に全幅の信頼を寄せていた。「自分のピッチングというか、こういうことができるのに何もできずに終わった、ということがないようにしたい。(能力の)すべてを出してあげたい思いでやっています」。投手と密にコミュニケーションを取り、自信や気付きを与えることで「選択肢を増やしてあげたい」と考えている。
球団もこの部分を高く評価する。東海大札幌の後輩でエース候補の門別や、高卒1年目ながら2軍で能力を発揮した今朝丸ら有望株がいる。伏見は「門別が年間を通して投げ切れないのは何か理由があると思う。一緒に探していきたい」と早くもイメージを膨らませている。
4季ぶりの関西復帰、そして名前が示す「虎」との縁。「不思議な縁を感じています。うかんむりの方のトラなので、間違って覚えられる不安はあります。覚えてもらえたらうれしい」。阪神でも存在感を示す日は遠くない。【柏原誠】
◆伏見寅威(ふしみ・とらい)1990年(平2)5月12日生まれ、北海道千歳市出身。東海大四(現東海大札幌)では甲子園出場なし。東海大から12年ドラフト3位でオリックス入団。21年は91試合に出場、リーグ2位の盗塁阻止率4割2分5厘で優勝に貢献。22年も主力捕手として連覇。同年オフに日本ハムにFA移籍。通算633試合出場、21本塁打、142打点、打率2割3分3厘。182センチ、89キロ。右投げ右打ち。



