阪神ドラフト1位の立石正広内野手(22=創価大)が、17日にもファーム・リーグのオリックス戦(SGL)で実戦デビューする。1月の新人合同自主トレで右脚の肉離れを発症したが順調に回復。いよいよプロ初の対外試合に出場できる段階に状態を上げてきた。野球道具にはかわいらしい平仮名の字体で「まさ」の2文字。そこには立石の優しさが詰まっていた。

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立石はグラブやバッグ、アンダーシャツに「まさ」と刻んでいる。正広の名前にちなんだ大学時代のニックネームだ。緑で縁取りされ、丸みを帯びたフォントは、立石の朗らかな笑顔と重なって見える。

ローリングス社の担当者が明かす。「『刺しゅうどうする?』となって、最初だから「まさ」とひらがなだったら、子どもたちもわかるし、なんとなく親しみが出るんじゃないかなと。『じゃあ、まさでいこう』となりました」。担当者のアドバイスをヒントに野球道具のひらがな表記が決定。「まさ」には、子どもたちやファンを思う優しさが詰まっていた。

かわいらしい字体も、有名デザイナーに依頼したものではない。立石は「ヤナセのメーカーさんの奥さんに書いてもらいました。お世話になっているので、喜んでくれてよかった」とにっこり。実は、使用するバットメーカー担当者の夫人のメモ書きを見たことがきっかけ。「まさ」と手書きしてもらい、スキャンして用具に刻んだものだった。

日々、意見交換するローリングス社の担当者は、立石について「素直なので、いろいろ試して使ってみると。こだわりを持たないのがこだわりかもしれない」と話す。自分自身の軸は持った上で、まずは挑戦してみる。厳しいプロの世界を渡り歩く上でも、それが強みになるかもしれない。

いよいよ今日17日にも、ファーム・リーグ、オリックス戦(SGL)で実戦デビューする。1月の新人合同自主トレで右脚の肉離れを発症し、春季キャンプは別メニュー調整だった。だがリハビリを経て体調を整え、14日にはプロ初の実戦形式のライブBPで2本の柵越えをマーク。実戦出場できるまでに状態を上げてきた。その時放って周囲を驚かせた、左翼席への特大120メートル弾や、バックスクリーン右への弾丸ライナーを再現できれば最高だ。逆転での開幕1軍も現実味を帯びてくる。みんなに愛される選手を目指して、3球団が競合したアマNO・1スラッガーが初打席に向かう。【村松万里子】