ソフトバンクのイヒネ・イツア内野手(21)が快足とバットで初の開幕1軍を猛アピールした。

中日とのオープン戦(みずほペイペイドーム)で1点を追う7回に代走で出場。無死一、二塁の二塁走者として、栗原の定位置への中飛で迷わずタッチアップして三塁を陥れ、正木の逆転3ランを呼び込んだ。8回に回ってきた打席では根尾からプロ4年目で1軍初アーチとなる特大2ランを右翼席へたたき込んだ。小久保監督は代走&守備固めの1軍戦力として期待をかける。

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二塁走者のイヒネに迷いはなかった。7回1死一、二塁。栗原が打ち上げた飛球に、中日の中堅岡林も回り込んで捕球体勢に入った。そして4年連続ゴールデングラブ賞の名手がすぐさま中継へ送球。だが、それより早く、頭から三塁に飛び込んだイヒネがセーフをもぎ取った。チャンスを拡大し、正木の逆転3ランにつなげた。

「いけるかなと思って、とりあえずいってみようとチャレンジしました」

思い切った走塁に小久保監督も「あれは求められるところ」とたたえた。その上で「我々が求めるのは『あそこで緒方なら行けるかな』なので」と補足。2軍には昨季101試合に出場した緒方が控えており、イヒネにもさらにアピールしてほしい思いを明かした。

バットでも怪力を披露した。2点リードの8回。根尾から飛距離122メートルの特大2ランを右翼席へ突き刺した。「(根尾は)侍ジャパンでも(サポートメンバーで)投げていたなと思いながら打席に入った。結構、芯だったんでいってくれるかなと思いました」。プロ4年目の1軍初アーチだ。オープン戦はまだ10打席ながら8打数3安打で打率3割7分5厘。日々、存在感を増している

昨季は2軍でリーグ2位の30盗塁を決めた。自主トレでは「30メートル走なら周東さんに負けません」と豪語。キャンプから指導する本多1軍内野守備走塁コーチは「代走の心構えや何を観察しないといけないのかなどを教えている。2軍で30盗塁しても1軍との重みは違う。初めての経験の中、もっとレベルを上げていかないと。でも、だいぶ成長しています」と目を細める。

22年ドラフト1位入団。今宮の後継遊撃手としてファームで英才教育を受けてきた。「ずっと走塁、守備固めで未来を終えるつもりはない」。まずは「常に全力」で初の開幕1軍をつかむ。そして驚異的な身体能力でチームのリーグ3連覇、連続日本一の力となる。【石橋隆雄】

◆イヒネ・イツア 2004年(平16)9月2日生まれ、愛知県名古屋市出身。両親はナイジェリア人。中学時代は軟式野球の東山クラブに所属。誉(愛知)に進み高校通算18本塁打。22年ドラフト1位でソフトバンクに入団。次世代の大型遊撃手としてファームで英才教育。25年に1試合だけ1軍デビューした。。186センチ、83キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は800万円。