2年連続受賞ならず、トホホ…。日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)は、狙っていた沢村賞の2年連続受賞はならなかった。投球回や奪三振などの選考基準7項目をすべてクリアしながら落選。シーズン終了後は「これで取れなかったらやばい」と色気十分だっただけに、ガックリ肩を落とす結果となった。

 82年に選考基準7項目ができたが、全項目を満たしながらの落選は82年江川卓氏以来。パ・リーグ選手が対象に加わった89年以降、初めての悲劇だった。2年連続の全項目クリアで、楽天岩隈とのダブル受賞も検討されたが「16勝と21勝の差は非常に大きい」(選考委員)。史上5人目、パでは初の2年連続受賞は幻に終わった。

 シーズン最終戦の10月1日楽天戦に中継ぎ登板し、200投球回を突破。試合後「これで沢村賞はどうなんですか?

 やっぱり20勝の方が上ですか?

 待っときます」と、珍しく報道陣に逆取材するなど受賞を心待ちにしていた。この日は、受賞時の記者会見を想定して都内で待機していたが、無念の肩すかしを食らった。

 沖縄での秋季キャンプ中に落選を聞いた梨田監督は「五輪で5回(先発機会が)飛んでいるし、20勝もいけたと思う。匹敵する内容で胸を張っていい」と慰めの言葉を並べた。今オフはゴールデングラブ賞は2年連続受賞したが「なんでやろ」と不思議そうに話していた。思わぬ受賞はあったが、照準にしてきた本命ターゲットは手にできなかった。