<中日12-1ヤクルト>◇14日◇ナゴヤドーム

 危なげないマウンドだった。中日吉見一起投手(24)がヤクルト打線を8回1失点に抑え、無四球で今季12勝目。リーグトップのヤクルト館山に並んだ。

 「今年はやられているんで、頭をとるという気持ちでいきました」。今季、ヤクルト戦はここまで2戦2敗。2週間前にはカードの頭で館山と投げ合い、黒星を喫した。そしてこの日も3連戦の初戦。巡ってきたリベンジの舞台で、しっかりと借りを返してみせた。

 前回登板した7日の横浜戦。勝ち投手にはなったものの、3失点の納得いかない内容に「次が本勝負。また館山さんと当たると思うので」と話していた。館山はケガで登録を抹消され、この日の先発は村中になったが「館山さんとではなく、ヤクルトと勝負するので」と、気持ちは変わらなかった。

 失点は2回に畠山に浴びた1発のみ。3回以降は得点圏にも走者を進めなかった。「点が開いても、気持ちを抜かなかった」。コントロールを武器に、自分のピッチングを続けた。

 打っても初回、3点リードの2死満塁のチャンスで、フルカウントから右前への2点適時打。「あれはたまたま。真っすぐ1本を狙って打ちました」。自らのバットでリードを広げ、塁上で何度も手をたたいた。

 週に1度の休日も、メンタル面を意識した行動で、試合に備えている。「ずっと家にこもっていると、逆に体が疲れる。買い物とか、外に出るようにしています。ストレスを溜めないように、したいように生活するのが一番」。家族の協力のもと、野球中心の生活を続けていることが、今年の活躍にもつながっている。

 8回には、森バッテリーチーフコーチから「もういいな?」と言われ、完投は逃したが「打席も回ってきたから」と、悔いはない。それよりも、今季6度目の無四球を「求めていたことなので、うれしく思います」と、素直に喜んだ。

 これで首位巨人とも再び1・5差。「まだまだ直接対決があるので、その時までしっかりと食らいついていきたい」。すべては歓喜のため。個人の記録よりもチームの勝利が、今の吉見にとって何よりの励みとなっている。【福岡吉央】

 [2009年8月15日10時34分

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