巨人が新外国人としてエドガー・ゴンザレス内野手(31=パドレスFA)の獲得に動いていることが6日、明らかになった。ゴンザレスの母国メキシコのメディアが報じたもので、1年契約で合意に近づいている。昨季40本塁打を放ったパドレスの主砲エイドリアン・ゴンザレス内野手(27)の兄で、昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にはメキシコ代表で出場した現役メジャーリーガー。レギュラー不在の二塁手としての活躍が期待される。

 パドレスをFAとなり母国メキシコのウインターリーグに参加中のゴンザレスは、現地のメディアに対し巨人と交渉中であることを認めた。ラジオ局「ベースボールメキシコ」の電子版は入団が決定的になったと報じ、「大リーグ3チームからオファーがあったが、日本でプレーするのがベストの選択だと思う。巨人は大リーグの球団より高い条件を提示してくれたし、何より毎日試合に出られるチームを選びたかった」というゴンザレス本人の談話を掲載した。

 また、メキシコの地元紙も「巨人は日本のチャンピオンチームで、ヤンキースのような名門だと聞いている。そういうチームでプレーできる可能性があることを光栄に思っている」というゴンザレスの喜びの声を伝えた。昨季、パ軍での年俸は40万7300ドル(約3670万円)とお買い得。交渉はメディカルチェックなど詰めの段階に入っているとみられる。

 昨季40発を放った弟エイドリアンのような派手さはないが、巨人の弱点を補う力を持つ。本職はここ数年レギュラーが不在の二塁手で、08年には井口(現ロッテ)から定位置を奪った実力派だ。内外野どこでも守れるマルチプレーヤーで、外野手の亀井が一塁を兼任したように、状況に応じて複数のポジションを守ることが求められる戦術にも合致する。1軍外国人枠を巡る競争は激しくなるが、李承■の不振が続くようなら開幕からスタメンで出場する可能性は十分。重量打線が、さらに破壊力を増す。

 メジャー経験は2年しかなく、早くから才能を開花させスラッガーとなった弟エイドリアンとは対照的な野球人生を歩んできた。しかし、メジャー初昇格が29歳という晩成型で、まだ底は見せておらず日本で大化けする可能性もある。正式に契約がまとまれば、球団史上初のメキシコ人野手が誕生し、セ・リーグ4連覇、2年連続日本一を目指す巨人の貴重な戦力になる。※■は火ヘンに華

 [2010年1月7日10時47分

 紙面から]ソーシャルブックマーク