阪神坂井信也オーナー(62=電鉄本社社長)が前代未聞の謝罪あいさつを行った。15日に大阪市内のホテルで開催された「阪神タイガース激励会」に出席。壇上で選手に対し「昨年来、私の言動やフロントの対応の仕方において、選手のみなさんに、戸惑いや不信感を与えたことを謝りたい。許してください」と話した。公式行事で球団トップが頭を下げるのは、創立75周年を迎える球団史の中でも極めて異例。場内は静まり返った。

 5年ぶりのBクラス転落で、球団はチーム改革を敢行した。今岡は戦力外となり、矢野や下柳らベテラン選手が大幅減俸の憂き目にあった。シビアな経営を求められる球団の現状もあったが、選手には功労者への冷遇と取られかねない不信感を生む結果となった。開幕を直前に控え、事態の沈静化を図ったようだ。イベント後、同オーナーは「選手のみなさんがどう思っていたのか。素直な気持ちを言った」と話した。

 [2010年3月16日7時33分

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