<西武5-1ソフトバンク>◇19日◇西武ドーム

 ソフトバンクの自力優勝の可能性が消滅した。首位西武との直接対決第3ラウンドで完敗。ゲーム差を3・5に広げられた。先手は取ったものの序盤に打線の拙攻が続けば、3回には多村仁志外野手(33)の失策を引き金に同点に追いつかれた。投げても先発大場翔太投手(25)の四球による自滅KOと、負の連鎖が続いての黒星。残り30試合。逆転Vへ、目の前の試合を勝ち続けるしかない。

 1つのミスが、ソフトバンク自力V消滅への引き金となった。1点リードの3回だった。1死から迎えた西武上本の右翼を襲った打球が、揺れながら急失速した。ライト多村は落下地点を見極められず、最後は前傾姿勢になりながらボールをこぼした。

 多村

 難しいです。ナックルですから。どっちに動く、どっちに動くとギリギリまで行って、最後に逃げて行った。

 腰痛を抱えながら強行出場を続ける男が唇を噛みしめた。上本の二進を許した後、先発大場が踏ん張れずに同点とされた。結果的に痛恨の失策が流れを失うきっかけとなってしまった。

 ただ、嫌なムードには、すでに支配されていた。初回に1死二塁から松田、小久保が凡退。2回は多村先制弾の後に無死一、二塁の好機を得たが、田上、江川、川崎が倒れて追加点を奪えなかった。3回は2死一、三塁で長谷川が二ゴロ。主将小久保が振り返った。「前半のチャンスで打てんかった。大場は悪くないよ。今日は6点取らないと勝てないと思っていた。大場はよくやった方やろ。谷間対決で1点じゃ勝てんわ」。自らを含め、序盤に西武野上攻略のチャンスを逸し続けた打線を戒めた。

 拙攻にミス。敗戦にはつきものだが、この日は、敵地では今季ラストの西武戦。カード勝ち越しを逃すどころか、ゲーム差は3・5に広げられ、残り30試合の時点で自力優勝が消滅。チーム63失策はリーグ2番目に多い。もう1度、自分たちを直視し、巻き返しへの糧にするしかない。

 秋山監督

 西武とはこれで1カ月試合がない。こっちとしては、最後まで1戦1戦勝ちを積み重ねていくしかない。

 あきらめるにはまだ早い。そう言わんばかりに、指揮官は言葉を続けた。「(工藤)公康は元気だな。やればできる。47歳でも。ああいう姿を見て、何かを感じるところがあるだろう」。この日登板した現役最年長サウスポーを例えに出し、自らの可能性を信じてチャレンジする大切さを説いた。チームは今季西武ドームでは全4カード負け越しの2勝10敗だが、優勝の可能性まで消滅したわけではない。直接対決の残り3試合は、9月18~20日に本拠地で迎える。チャレンジャー精神を忘れず、1カ月後には、たくましさを取り戻したホークスで迎え撃つ。

 [2010年8月20日11時19分

 紙面から]ソーシャルブックマーク