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稼頭央悪球打ち 楽天猛攻に絡む2の2

低めの難しい球を左前に運ぶ松井稼(撮影・蔦林史峰)
低めの難しい球を左前に運ぶ松井稼(撮影・蔦林史峰)

<オープン戦:楽天10-2西武>◇5日◇長崎

 これぞ、カズオの真骨頂だ。楽天松井稼頭央内野手(35)が5日、西武とのオープン戦(長崎)に「1番遊撃」で先発出場し2安打1犠飛を放った。犠飛と2本目の安打は、ともに見逃せばボール球。自分の打てるボールを打つ“悪球打ち”で、状態の良さを示した。移籍後、対外試合初の盗塁となる二盗も決めた。誘発された打線は12安打10得点の猛攻。古巣相手の一戦で「楽天松井稼」の存在感が際立った。

 バットがゴルフクラブに変わった。4回無死二塁、1ボール1ストライクからメッツ時代の同僚、西武石井一のカーブは足元目がけて落ちてきた。見逃せばワンバウンド。松井稼は軸の右足を前に動かしながら、地面スレスレに“クラブ”を打ち下ろした。「まぐれですよ」と謙遜したが、フワッと上がった打球は遊撃の頭を越えた。左前へ落とす“アプローチショット”を決めた。

 ボール球を打ったのは「反応です」。だが、単なる悪球打ちとは違う。「自分ではストライクと思って振っています」と付け足した。このひと言が、状態の良さを示している。星野仙一監督(64)が「本人は曲芸打ちと言ってたな」と舞台裏を明かした打席を、礒部打撃コーチが解説した。

 礒部コーチ (打った球が)ボール球でもOKです。あのクラスの打者は、反応で打てているというのは状態が良い証しなんです。

 あのころも、そうだった。3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーを成し遂げ、球界屈指の万能プレーヤーとして君臨していた西武時代。もともと右打ちの松井稼は「左打席は賢く、右打席はアホでいい」と自らの打撃を解説していた。努力で身につけた左打ちに対し、天性のまま打つ右打ち。体のコンディションも含め状態が良いから、ボール球でも「ヒッティングゾーン」になる。

 2回の第2打席でも魅せた。3点を先制し、なお1死三塁で右翼寄りの中犠飛を放った。「きっちり逆方向に飛ばせました」。フルカウントから見逃せば高めのボール球。肩口の変化球を、あっさり外野まで飛ばした。最低でも犠飛の思いで目付けが高い分、抜けた球を逃さなかった。反応に、状況判断が加わった結果だった。オープン戦4試合で8打数5安打、打率6割2分5厘。左打席でも5打数2安打を残すが、「反応」の右打席は3打数3安打のパーフェクトだ。

 1回には二盗も決めた。前日、出塁すれば仕掛けたいと宣言した通り。「もっと早く走れれば良かった」と2死後の盗塁を反省したが、健脚健在。この日は1番に入るも、卓越した状況判断に1発長打で2番、3番どこでも出来る。田淵ヘッド兼打撃コーチは「いろいろ試している」とうれしそうだった。楽天に、首脳陣の頭を悩ますぐらい強力なワンピースが加わった。【古川真弥】

 [2011年3月6日9時19分 紙面から]

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松井稼頭央

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