<セCSファイナルステージ:中日5-1ヤクルト>◇第4戦◇5日◇ナゴヤドーム

 ナゴヤドームの右翼線を抜けた打球が、ヤクルト山田哲人内野手(19)のプロ初安打になった。昨年ドラフト1位で入団した19歳。4点を追う3回2死二塁から、中日川井の外角への138キロ直球を運んだ。プロ初打点もマークしたが、ほろ苦さが残った。「最初にエラーをしてしまった。自分のミスから点が入ったので、それが悔しくてチャンスで回ってきたら打ちたかった」と言った。

 ミスは1回にあった。1死二塁から、遊ゴロを一塁へ悪送球。「足が引っかかってしまって、慌てて投げようと思ったら」と悔やむ。握り直した送球は、本塁側に大きくそれた。1死一、三塁とピンチを広げたことをきっかけに、先発赤川が4失点。「1つのミスがこういう敗戦になる」と、責任を感じていた。

 ヤクルトの将来を背負う逸材として、大きな期待を受けている。伊勢総合コーチは「入団してきた時の、池山以上や」と評する。今季は2軍戦で全114試合に出場。レギュラーシーズンでは1軍経験がないが、CSファイナルステージで抜てきされた。1軍未経験の新人がポストシーズンに出場するのは史上初。小川監督は、攻守の適応力を評価し、起爆剤として3試合連続で先発させた。

 8回には中日浅尾の148キロを中前に運んだ。中日に王手をかけられた中で、山田の2安打が第5戦に向けての明るい材料だ。小川監督は「今日の反省をしても仕方がない。勝負ですから、負けは負け。明日頑張るしかない」と、気持ちを切り替えた。【前田祐輔】