新人王獲得で偉大な先輩を超える!

 ソフトバンクの新入団選手発表が9日、福岡市内のホテルで行われた。ドラフト1位の今宮健太内野手(18=明豊)の背番号は「2」に決定。高校の先輩である阪神城島が、ソフトバンク時代につけていた番号を背負い「(城島を)超えるように頑張る」と宣言。新人王は先輩も果たせなかったタイトル。171センチの小さな巨人が、野手として球団59年ぶりの快挙に挑む。

 偉大な先輩を超えてみせる。今宮が背負った番号は「2」。今オフ、マリナーズから阪神へ移籍した城島が、05年までホークスでつけていた背番号だ。今宮にとって高校の先輩。この4年間は空き番号だった。「正直自分が2をつけていいのかなという不安、心配もあったけど、それを言っても仕方がない。城島選手を超えられるように頑張る」。18歳は、臆(おく)することなく前だけを向いた。

 「2を渡してよかったと言われる選手になりたい」。そのためにも、まずは新人王のタイトルをつかむ。新人王に輝けば、球団の野手としては51年の蔭山和夫以来の快挙。「狙って取れるものではないけど、結果として、ついてくるよう全力でやる」。高卒3年目で捕手の定位置をつかんだ城島ですら果たせなかった偉業に挑む。

 ドラフト指名以来「盗塁王&2000本安打」などと、大きな夢を語ってきた。王会長や秋山監督もほほ笑ましく、そのビッグマウスぶりを見つめる。しかし18歳は、しっかりと地に足をつけたプランも描いていた。城島は1年目の5月に1軍初出場を果たし7月には初安打。実際は「早く出て城島さんを超えようとは思っていない。焦らず体をつくって2年目、3年目で結果を出せるようにしたい」。プロ仕様の体をつくり、勝負をかけるつもりだ。

 あこがれの選手は松井稼頭央(アストロズ)、永遠のライバルは西武に入団する菊池と公言する。それでもメジャーは頭にはない。「(将来の)メジャー(移籍)は一切考えていない。上ばかり見てて4、5年でクビになるかもしれない。国内でしっかりと結果を残したい」。日本を代表する選手となり、ホークスの「2」を守り続ける。

 「早くバットにもなれたいので」と気温の低い12月中も、木製バットで打撃練習を続けるつもりだ。練習相手は明豊でマネジャーを務めた同学年の下松翔さん。「(高校の)現役の時も愚痴はあいつにしか言わなかった」と今宮が話す親友は来春、トレーナーの勉強のため関東の大学に進学する。「(周囲に)将来は今宮のマネジャーになりたいと言ってくれてるみたいなんです。あいつのためにも頑張りたい」。心優しい小さな巨人が、大きな夢の一歩を踏み出した。