イタリア代表のマイク・ピアザ監督(54)が、リスペクトを込めて日本戦への思いを語った。

準々決勝前日の15日、東京ドームでの会見の冒頭に「こんにちは。お元気ですか? 元気でしょう。そうですね」と日本語であいさつ。「日本は手ごわい相手と十分承知してる」と引き締めた。

米殿堂入りした指揮官はドジャース時代に野茂英雄氏とバッテリーを組み、メッツでは新庄(現日本ハム監督)とチームメートだった。日本と縁が深く、90年代には日本企業のCMにも出演。お茶の間でも“野茂の女房役”として知られ、当時、日本で最も有名なメジャーリーガーになった。「幸運にもヒデオと出会うことができ、コマツという企業のCMにも出ることができました」。23年ぶりの来日でも感謝は尽きない。

日本にとっては侮れない相手だ。選手たちの多くが、イタリアにルーツを持つ米国籍のメジャーリーガーやマイナーリーガー。主に3番を打つDa・フレッチャーはエンゼルスで大谷の同僚だ。台湾での1次ラウンドは5チーム全てが2勝2敗と大混戦の中、失点率でA組2位。2大会ぶりに1次ラウンドを突破した。

「厳しい戦いになるが、勝つチャンスは十分あると思っている」。虎視眈々(たんたん)と米国行きを狙っている。「60年代に先輩が1人いましたが、野茂選手が(日本人大リーガー)2人目」と、アジア人初の大リーガーとなった村上雅則氏まで記憶している指揮官。日本への敬意と愛があふれる男が、最前線で立ち向かう。【中野椋】