侍ジャパン種市篤暉投手(27=ロッテ)が完全投球でチームに流れをもたらした。3番手で同点の7回からWBC初登板。先頭の金慧成から、154キロ直球で空振り三振を奪うと勢いに乗った。続く金倒永も代名詞のフォークで空振り三振。最後はジョーンズをキレキレのフォークで空振り三振に仕留めた。その裏の勝ち越し劇につながる好救援だった。
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種市が大舞台でも力を発揮した。冷静さの裏には習慣がある。24年から瞑想(めいそう)を続ける。毎朝5~20分、呼吸に意識を向ける。「呼吸に集中すると、自分の気持ちに気づける。いらないことを考えているときも『呼吸に戻ろう』って集中できる」と自分との対話を大切にする。
その姿勢は試合後にも表れる。たとえ打たれた後でも、広報を通じたコメントを決してひと言で終わらせず、冷静な自己分析が並ぶ。背景には、世界のトップ選手の姿がある。メジャーで活躍する大谷やダルビッシュだ。結果が出なかった試合でも、淡々と振り返り、言葉で整理していく姿に影響を受けた。「野球に対して、失敗した時もちゃんと自分の答えを出せるようにしています」と見習っている。その大谷と同じユニホームを着て戦う。自分との対話を積み重ねてきた右腕が、大舞台でも結果を出した。【ロッテ担当=星夏穂】

