「昭和の大横綱」大鵬の納谷幸喜さん(享年72)が、2013年に亡くなって、命日の19日で10年の節目を迎えた。

第48代横綱大鵬土俵入り
第48代横綱大鵬土俵入り

元横綱大鵬の没後10年を前に取材に応じた三女の納谷美絵子さんは「あっという間でした。10年と聞いて、本当に早かったなあと感じます」と振り返った。亡くなってから、父の偉大さを感じることがしばしばあるという。「海外の人たちや、若い方々にも『大鵬』という名を知ってもらっている。うれしいことです」と喜んだ。

生前の父について思い出すのは「子どもの頃にけがをすると、包帯や薬を取り出して何でも治してくれる」という心優しい姿だ。礼儀作法には厳しかったが、「私は末っ子だったので、姉たちと話していると大分甘かったようです」と笑う。長男(プロレスラーの納谷幸男)をのぞく3人(次男・三段目納谷、三男・平幕王鵬、四男・幕下夢道鵬)が角界入り。「大鵬の孫」として注目されながらも、土俵の上で期待に応えようと奮闘している。

大鵬家家系図(敬称略)
大鵬家家系図(敬称略)

本場所の前後で納谷さんは、都内にある父の墓を訪れる。場所前に子どもたちの15日間の活躍を見守ってほしいと伝え、場所後に結果報告を欠かさない。命日の1月19日は初場所と重なるため家族一同で集まることはないが、在りし日の思い出を振り返る機会にしてほしいと願っていた。【平山連】