元幕内の千代丸(34=九重)が現役を引退し、日本相撲協会の若者頭に採用された。協会が23日に発表した。

鹿児島県の志布志市立志布志中を卒業後、元横綱千代の富士の九重部屋に入門。2013年秋場所で新十両、14年春場所で新入幕。最高位は東前頭5枚目だった。

最後の本場所となった春場所は西三段目筆頭で勝ち越し。「マジメにいつも通りやりました。最後まで取り切ろうという気持ちでした」と振り返った。現役生活は約19年間に及び、幕内在位31場所、十両在位33場所、力尽きるまでやり切った。

親方として協会に残りたかったが、空きがなかった。実直に仕事をこなし、コミュニケーション能力も高いことから若者頭に推薦され、裏方として協会に残る道を選んだ。

思い出の一番は、十両昇進を決めた13年名古屋場所千秋楽の十両鬼嵐との入れ替え戦。「3勝1敗から3勝3敗になって、3日間空いたんです。緊張して、千代栄にビンタをもらっていきました。これが分岐点でした」。弟の千代鳳の付け人を務めていたが、この場所を最後に一人前になった。

千代丸を一躍有名にしたのは、1枚の写真だ。日本相撲協会の公式X(当時はツイッター)で、巡業中の寝顔写真がアップされた。一気にバズって有名になり、「千代丸たん」の愛称が定着した。千代丸は「『SNSに上げていいですか』って聞かれたのですが、確認しないで『使ってください』と言ってしまいました。確認しなくてよかった。先代が厳しかったので、確認したら止めていたかもしれません」と振り返る。「あれはプラスでしかない。あれがきっかけで大砂嵐との絡みを取り上げてもらったりして、知名度や認知度が上がりました。今でも言われます」。

今後は、協会のために尽力していく。「巡業も出ますし、いろいろ教えてもらいながらやっていきます。協会に恩返ししたいです」と話していた。【佐々木一郎】

日本相撲協会のXから。2014年8月に投稿された写真が千代丸にとって転機にもなった
日本相撲協会のXから。2014年8月に投稿された写真が千代丸にとって転機にもなった