ボクシングのIBF世界スーパーフライ級3位帝里(ている)木下(31=千里馬神戸)が20日、IBF世界スーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(25=フィリピン)との世界戦(7月2日、オーストラリア)に向け、神戸市の同ジムでスパーリングを打ち上げた。

 帝里は「調整は今のところバッチリ」と充実の笑みを浮かべた。王者と同じサウスポーのフィリピン国内同級王者で東洋太平洋2位という“猛者”をパートナーに招き、80ラウンド超を消化した。「フィリピン人独特で、タイミングを外して打ってくるパンチに最初はボコボコにされた。でも、距離感を大事にさえすれば、パンチをもらうことはないとわかりました」といい、世界戦対策は順調に進んでいる。

 3年前の世界初挑戦は、手数が出せず、判定で完敗した。「支えてくれる人たちにすごく迷惑をかけた。なんでボクシングをするんか。そこを考えさせられました」。再起に向けた3年間。「僕は性格がわがままで、人の話を全然聞かへんかったんです。自分の力だけでやれると思ってて」。練習方法などで周囲の声に素直に耳を傾け、ひたすら前向きに2度目のチャンスを待ち続けた。

 今回はスーパースター、マニー・パッキャオの前座だ。オーストラリア・ブリスベンのサンコープスタジアムで、収容5万5000人という大舞台のリングに立つ。妻摩由子さん(43)と長女ももこちゃん(6)次女美羽子ちゃん(3)も現地に連れて行く。「長女の方は僕がボクサーやとわかってきたみたい。父親として、かっこええ姿を見せたいですね」。2度目の世界戦は一世一代の晴れ舞台。26日に決戦の地へ向かう。