WBA世界スーパーバンタム級王者久保隼(27=真正)と同級2位の挑戦者ダニエル・ローマン(27=米国)が31日、タイトルマッチ(9月3日、島津アリーナ京都)を前に神戸市内の同ジムで予備検診を受け、久保が身長、リーチともに10センチ上回っていることが判明した。

 身長176センチとスーパーバンタム級ではかなり長身となる久保はタイトルを奪取したセルメニョ戦でも、身長で8センチ、リーチで4センチのアドバンテージがあった。「いつものことですし、相手(ローマン)もそうじゃないですか? 彼にもそこに対応する引き出しがあるでしょうし、僕にもあるので、それを出していきたい」。自分のスタイルのポイントを「距離感」という王者には、戦うイメージがあるようだ。

 両者はこの日が初対面だった。久保は「雑誌のコメントを見て、まじめそうと思っていたけど、その通り。絶対にボクシングに対してまじめ。試合がなければ、というか終わったら、仲良くできそうなタイプ。僕と同じ。まあ、僕はボクシングしかでけへんだけなんですが…」。この日夜にサッカーW杯アジア最終予選の日本-オーストラリア戦が行われるが「あるのも知りませんでした。僕、ほんまにテレビ見ないんで」と苦笑いする男は、同じ“におい”を感じたようだ。

 一方のローマンも久保の印象を「ナイスガイ!」。血圧が147/90とやや高めだったことを「(中継局の)テレビカメラが回っていたから。初めてで緊張したんだ」。ニックネーム「ベビーフェース・アサシン(童顔の殺し屋)」らしく、甘いルックスに笑みを絶やさなかった。