ボクシングのWBCは10月31日(日本時間11月1日)、8月15日に京都で開催された同団体の世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(35=帝拳)を下して新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)がドーピング検査で陽性反応を示した問題で、意図的摂取の証拠がないとして、山中との即時再戦を交渉に入るように命じる裁定を下したと発表した。

 反応が出た禁止薬物ジルパテロールは、筋肉増強剤クレンブテロールに似た性質を持っており、家畜の体重と筋肉を増やす成長促進剤で飼料に添加されるの動物用医薬品。人が摂取すれば心拍が速くなり、気管支拡張の作用があり、筋肉増量につながる。ネリ陣営では拠点とするメキシコ・ティファナで牛肉を食べた際に摂取したと無実を主張してきた。

 進退を保留してきた山中にとっては、雪辱の機会が準備されたことになる。