IBF世界ミニマム級王者の京口紘人(24=ワタナベ)が、指名挑戦者の同級3位カルロス・ブイトラゴ(26=ニカラグア)を8回2分28秒、TKOで下して初防衛に成功した。

 初回から強烈な左ボディーブローで挑戦者を弱らせ、何度もロープに詰めてラッシュ。最後はレフェリーが一方的な試合を止めた。

 王座を奪取した7月の世界戦では、10回にダウンを奪ったものの、KOでの決着を逃していただけに、試合後は「KOにこだわった。相手の心が折れかけたのが分かった。できればキャンパスに倒したかったけど」と満足げな表情を見せた。

 挑戦者は世界王座挑戦経験のある強打と技巧を兼備した実力者。京口の今後を試す試金石でもあった。「タフでうまい選手でした。前半は強いと思った。でも4、5回くらいからKOは時間の問題と思った」と京口。

 中1から大阪帝拳ジムでボクシングを始め、元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎から指導を受けた。そこで伝授された左ボディーブローをKO防衛につなげられたのもうれしかった。

 今後の目標は「ミニマム級で防衛し続けること」と本人は防衛記録を伸ばすことを目標に上げたが、渡辺会長は「いずれは階級を上げることになる」と、成長を続ける24歳の未来にさらに大きな期待をしていた。