ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ(3月1日、両国国技館)の調印式が27日に都内で行われた。雪辱戦に挑む前王者山中慎介(35=帝拳)が、「会見で僕の前にベルトがなくて、ネリの前にあるというのは非常に嫌な気持ち。取り返してやるという気持ちがわいてきました」と言えば、返り討ちを狙うネリも「前回より良くなっている。パワフルになっている。メンタル面でも強くなっている。今回もまたKOを狙う」と豪語した。昨年8月に日本記録の世界戦連続防衛13回に並ぶ一戦で相まみえ、ネリが4回TKO勝利を収めていた。

 滞りなく進んだ会見がストップしたのはグローブチェック時。山中がメキシコ製「レイジェス(REYES)」のグローブを持ち込んだのを見ると、ネリ側のギジェルモ・ブリト・プロモーターから異議が入った。ネリ側は前回と同じ日本製のウイニングのグローブを用意しており、「ウイニングでそろえてほしい」と主張した。

 山中陣営の帝拳ジムの浜田代表は、「チャンピオンに敬意を払うつもりで、メキシコ製を用意したのですが…。レイジェスを使うと思い込んでしまった」と説明した。ここまでの練習でもミット打ち、サンドバッグ打ちはレイジェスを使用してきていた。ただし、これまでの長き防衛ロードはウイニングを使用しており、「向こうが一緒でそろえたいと言うのであれば」と明日28日のルールミーティングで話し合うことになる。

 ブリト・プロモーターは「前回使用して質的にも良かった。勝っていることもある。同じ条件で試合をしたい。練習も日本からウイニングを買って帰って使っていた」と述べた。6回TKO勝ちした昨年11月のメキシコでのノンタイトル10回戦でも、日本製を使用したという。