13年ボクシング高校総体ライトフライ級覇者の岩田翔吉(22)が31日、都内でB級(6回戦)のプロテストを受けた。

昨年12月、米国で4回TKO勝ちのプロデビューを果たしているが、国内ライセンス取得のために受験した。高校時代、同学年のWBO世界フライ級王者田中恒成(畑中)、WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(大橋)から勝利を挙げた実力者は帝拳ジム所属で国内デビューする。

心身をリラックスさせた岩田が後楽園ホールのリングで実技を披露した。実技では大野兼資(帝拳)との3回のスパーリングなどを消化。筆記、ドクターチェックなども無事に終え「中学で2試合、早大で20試合ほど立ったリング。いつもスパーしている大野さんが相手をしてくれて、いつも通りの動きができました」と満足そうに笑った。

合否は2月1日発表で、合格すれば帝拳ジム所属となる。「緊迫感のあるジム。毎日毎日の練習で強くなる実感がある」という岩田はミニマム級、ライトフライ級を主戦場に世界王座を目指す意向を持つ。「世界王者へ第1歩を踏み出せるように。できればランキング入りも狙いたい」と19年の目標を掲げた。

実績は申し分ない。世界最速タイの3階級制覇を成し遂げた田中、兄尚弥とともに兄弟世界王者となった井上拓と同学年。2人と対戦経験があり、勝利も挙げている。岩田は「レベルの高い年代だったと思います。(2人の)活躍は刺激になりますし、自信にもなります。みんなでボクシング界を盛り上げていきたいです」と意気込んだ。

ラスベガスなどで練習した経緯もあり、先に米国でプロデビュー。昨年12月、ライトフライ級4回戦でジョエル・バルムデス(米国)に4回TKO勝ちを収めた。「日本で試合を見たいという方々がいるので日米で試合することができれば」との青写真も描く岩田は「今までの日本人ボクサーとは違うことをやっていきたい。最高のパフォーマンスをみせられたらうれしい」という国内デビュー戦決定を楽しみに待っている。【藤中栄二】

◆岩田翔吉(いわた・しょうきち)1996年(平8)2月2日、東京都生まれ。9歳の時、UFCファイターだった故・山本KID徳郁さんのジムで格闘技を始める。中学2年でボクシングに転向し2、3年時にU-15全国大会を制覇。東京・日出高3年時に全国高校総体優勝し、早大へ進学。家族は両親と妹2人。身長163センチの右ボクサーファイター。