キックボクシングの神童那須川天心(20)が妹梨々(16)をダメ出しした。この日、梨々はRISEクイーンアトム級(46キロ)の決勝で紅絹(35)に0-3の判定で敗れ、兄のプロ6戦目を超える4戦目での戴冠を逃した。リングで結果を聞いた梨々は悔し涙を流し、取材にも応じず。そんな妹を、天心は「やるならちゃんとやれ」と一喝した。

梨々はボブヘアにセーラー服の清楚(せいそ)な姿で登壇した前日の会見とは一転、大好きなレゲエをイメージし編み込んだ攻めのヘアスタイルで登場。兄の熱いセコンドにも背中を押され、プロ57戦目のベテラン紅絹に対し、序盤からがむしゃらに突進した。1、2回は積極的にプレッシャーをかけ、パンチ、キックともに手数で圧倒したが、3回からは相手の多彩な攻めに苦戦。運動量も徐々に落ち、4回は押され、5回は激しい打ち合いで圧倒された。ゴングが鳴ると、負けを確信したのか泣きそうな表情でコーナーに戻った。

一流は他人に、そして家族にも厳しい。天心は、試合中は声を上げて献身的に妹をサポートしたものの、試合が終わると「本当に強いやつは練習している」と暗に練習不足を指摘。「本当に結果を残している人は人生をかけている。むりやりはやらせない。やるなら教える」と妹のさらなる奮起を期待した。最後は「いつの時代もやるやつはやる。やらないやつはやらない」。敬愛する矢沢永吉の名言で締めた。