ボクシングアマ5冠の重岡優大(22=ワタナベ)が31日、東京・後楽園ホールでのB級(6回戦)プロテストに合格した。弟銀次朗(19=同)は、27日に国内男子最速タイ4戦目でWBOアジア太平洋ミニマム級王座に就いたばかり。拓大を3年で中退して、兄弟で世界同級制圧を狙う。

実技テストのスパーリング3回は、2月に世界挑戦した同門の谷口将隆を相手にした。WBO7位の世界ランカーにひるむことなく積極的に攻め、得意の左ストレートに右ボディーを打ち込んだ。久しぶりの駒大でも慣れ親しんだリングに「スポットライトを浴びて、早く試合したくなった」とデビュー戦を待ち望んだ。

空手から父の勧めで中1でジムに通い出し、熊本・開新高ではインターハイ、国体、選抜で4度優勝した。東京五輪を目指して駒大に進み、昨年全日本選手権も制した。

新チームの主将にもなっていたが、五輪では本来のライトフライ級が除外が決まった。「フライ級では厳しい。いずれはプロと決めていた」と、思い切って3月で中退して転向を決断。「軽量級の層が厚く、いい練習ができ、刺激も多い」と、弟と同じワタナベジムに入門した。

インターハイ熊本県大会決勝では兄弟で決勝に進出した。親と監督が相談し、ゴングと同時に弟陣営がタオル投入での1回KO勝ち。弟はアマ57戦で唯一の敗戦となった。「ボクはやってもよかった。自分の方が強いから」とニヤリ。性格もタイプも好戦的な左ボクサーファイターだ。

弟は早くも王座を奪取で世界ランク入りも確実だが「大の仲良しなので兄としてうれしかった」と喜ぶ。アマ戦績は81勝10敗に「ボクは負けもあるし、弟にはない経験がある」とも話す。プロでは同じミニマム級で勝負する。「あわてる必要はないがボクシングで生きていく。重岡兄弟で世界を牛耳る」とアピールした。