日本ボクシングコミッション(JBC)は15日、WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(28=BMB)にライセンス停止3カ月、制裁金300万円に加え、6カ月の社会奉仕の処分を下した。

寺地は今月19日にエディオンアリーナ大阪で同級1位の久田哲也(36=ハラダ)と8度目の防衛戦を予定していた。しかし寺地が知人との会食で酔って東京都内のマンション敷地に不法侵入し、他人の車を破損させたと、週刊誌の報道で発覚。本人も事実関係を認め、予定された世界戦は中止となった。

寺地は処分決定を受け、「今はJBCの処分を本当に真摯(しんし)に受け止めたいと思っています。これからは自分自身を見つめ直して、ひとつずつ信頼を取り戻したい。また、品格のある人になりたいと思いました。お酒は自分の体に合わないと思ったのでやめました」とコメント。元WBA世界ライトフライ級王者具志堅用高の連続防衛日本記録13回の更新を明言してきた。その目標について「(世界戦を)準備してくれた関係者の方々には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。防衛記録に関しては自分の責任なので考えていないです」と話し、「世界チャンピオンでもこんなことがあるのはよくない。本当に恥ずかしい限りです」と猛省した。

今後について、「報道が出たときはすごくいろんなことを考えました。今後、どうしていけばいいか、みたいな。すごく考えました。(進退も)そういうことも考えました。ただ、自分が信頼を取り戻すというか、僕にできることはボクシングしかないなとあらためて思ったし、ここで辞めたら何も返せなくなると考えました」と引退は否定した。

JBCの安河内剛事務局長は「本当に真摯に受け止めて反省していただいていると思う。WBCにはこの内容を先ほど報告した」と説明。その上で「現役の世界チャンピオンの地位は重いと思うので、これぐらいの処分になった。JBCでは体重超過やリング上での処分の規定は厳しく定まっているが、こういったリング外で、真相が分からないものは非常に考えづらい。本人がその処分をしっかり受け止めていただけると思っている」。

寺地の今後はすべて白紙。JBCの処分を受け、WBCの対応も注目される。