プロボクシング元統一世界ミドル級王者のマービン・ハグラーさん(米国)が、米ニューハンプシャー州の自宅で死去した。66歳だった。13日にケイ夫人がフェイスブックに「残念ながら私の最愛の夫であるマービンは、ここニューハンプシャーの自宅で突然亡くなりました」と記した。息子のジェームス氏は「呼吸が苦しくなり、胸に痛みを訴えて病院に運ばれた」と米メディアに話した。

ハグラーさんは73年にプロデビュー。80年に2度目の挑戦でWBA、WBC同級王座を獲得。87年まで通算12度防衛(11KO)に成功した。ムハマド・アリ(米国)の引退でヘビー級人気が低迷した80年代、ロベルト・デュラン、トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナードとスーパーファイトを繰り広げて、ミドル級に黄金時代を築いた。

驚異的を意味する「マーベラス」と呼ばれ、打撃戦もアウトボクシングもこなす万能型で、サウスポーながら左右どちらでも倒せる強打を誇り、そり上げた頭に筋骨隆々の肉体は無類のタフネスを誇った。デュランには技巧で判定勝ち。ハーンズとは真っ向打ち合って3回TKO勝ち。87年4月のレナード戦では相手のアウトボクシングに微妙な判定を落とした。これが現役最後の試合になった。

生涯戦績は62勝(52KO)3敗2分け。13日に米ダラスで行われたローマン・ゴンサレスとファン・エストラーダの世界スーパーフライ級王座統一戦の前に追悼のテンカウントゴングが鳴らされた。