強烈な膝蹴りで優勝を視界に捉えた。10選手による総当たり戦のチャンピオンカーニバル(CC)が行われ、宮原健斗(32)が佐藤耕平(43)に勝利し、3勝2敗で首位に並んだ。「勝ちを手にして優勝圏内に突入した」と興奮気味に叫んだ。

東京都の緊急事態宣言により、25、29日と、5月3日の3大会が無観客試合となった。「そんなことよりCCで優勝することが最も重要」と語ったが、宮原なりの熱いメッセージだった。「世の中の動きは世の中の人に任せておけばいい。プロレス界は俺に任せろ」。暗いニュースが続く中、無観客だろうとこれまで通り、自分のプロレスで、ファンを元気づけることに変わりはない。「優勝するからその姿を見ていてくれよ」と力強く宣言した。

この日も元気いっぱいだった。序盤から佐藤の右膝を集中的に狙い、ドロップキックを連発。その後も容赦なく踏み付けた。最後は豪快に右膝蹴りを顔面に浴びせ、シャットダウン・スープレックス・ホールドで3カウント。敗れた佐藤は「あんなやんちゃな膝小僧が飛んでくるとは」とキックの威力に完敗を認めるしかなかった。

勝ち点6で6人が並ぶ大混戦にしっかりと加わった。次戦は3冠ヘビー級王者の諏訪魔が相手。全日本を引っ張る2人の対決に注目が集まる。「ファンも楽しみしていると思う」。元気いっぱい、迫力満点のプロレスで、世の中を明るくする。【松熊洋介】