女子プロレス団体スターダムに所属していた木村花さんが22歳で亡くなってちょうど1年を迎えたこの日、ゆかりのあるレスラーたちが集結し、花さんへの思いを胸にリング上で熱い戦いを披露した。

第1試合は沖縄プロレスの選手による6人タッグマッチ、第2試合では親交のあった男女28選手による「変則バトルロイヤル」が行われ、豪華競演に会場が沸いた。この試合を制したラム会長は「花ちゃんとは小さい頃から仲良くしていて、よく遊んでいた。プロレスなんか絶対にやりたくないと言っていたが、その頃から私なんかよりずっと輝いていて、リングに立つべき人間だと思っていた。悔しかったのはこのリングで一緒に戦えなかったこと。リングに上がっている以上は彼女とともに戦っていきたい」と思いを語った。

メインは「木村花スペシャルマッチ」としてスターダム出身選手らによる8人タッグマッチが行われた。現在も同団体で活躍する朱里、なつぽい、小波、DEATH山さん(現・フキゲンです)と、他団体で現役を続ける桃野美桜、朱崇花。さらには今大会1日限定で復活した花月、葉月がリングも上がった。途中からは響子さんもリングサイドに駆けつけ、花さんと同じ時代を共有してきたレスラーたちの熱い戦いを見守った。

試合は、花さんの大親友だった朱崇花が、ラ・マヒストラルで葉月から3カウントを奪って勝利。その後「終わるのが早すぎない?」と花月とのシングル対決を要求し、エキストラマッチも行われた。敗れはしたが、現役時代をほうふつとさせるパフォーマンスを見せた花月は「引退してからはプロレスには関わって来なかったが、今日は本当に花が与えてくれた再会だと思う。花という存在が特別だということが証明できた」と語った。その後は響子さんも遺影を持ってリングに上がり、花さんの「YES SIR!」のかけ声で締めた。

試合後、リング上では、幼い頃からの思い出の映像が流され、選手、観客全員で花さんをしのんだ。追悼の10カウントゴングが鳴り、会場からは大きな拍手が送られた。最後は、縁のあった多くの人からの「またね」の映像が流れ、響子さんも最後に登場。花さんをしのぶ追悼興行は幕を閉じた。