愛息のレスラーデビューへ、WWEの「超人類」ビル・ゴールドバーグ(54)が全力サポートを約束している。出演したWWEの配信番組で15歳の愛息ゲイジ君が希望すれば「100%後方支援する」と発言。今年5月、WWEでは「神秘の王」レイ・ミステリオJr.(46)と息子ドミニク(24)がWWE初の親子タッグ王者になり、大きな話題となった。「WWEの世界」第11回は現在のゴールドバーグ親子をクローズアップする。

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21日(日本時間22日)、米ラスベガスで開催された真夏の祭典PPVサマースラムで、ゴールドバーグはWWEヘビー級王者ボビー・ラシュリー(45)に挑戦した。息子ゲイジ君が5万人以上も集結したファンとともに見守る中、試合途中に左ひざを負傷。奮闘むなしくレフェリーストップ負けを喫した。試合直後、ラシュリーの襲撃を受けた父を守るために愛息がリングイン。ラシュリーの絞め技ハートロックでKOされてしまったが、リング内で「ファイト」したシーンが全世界に流れた。

今回のラシュリー戦について、ゴールドバーグは「家族のためだ」と言い続けてきた。WWE配信番組ザ・バンプに出演時には「彼(ゲイジ君)に道を強制するつもりはない」と前置きしながらも「もしリングに足を踏み入れたいと思ったら、私はそれを100%サポートする。父として後方支援する」と口にした。現在は野球やサッカーに打ち込んでいるという愛息の心情を察しながらも「父と同じ道を進んだとしたら、父親と同じような最大かつ最悪な存在になるだろう」と期待を寄せていた。

WWEには、ザ・ロックをはじめ、ランディ・オートン、ウーソズ(ジミー、ジェイ兄弟)、ナタリアら活躍してきた2世(あるいは3世)レスラーは数多く存在する。今年5月のPPV大会レッスルマニア・バックラッシュでは、レイ、ドミニクのミステリオ親子がスマックダウン・タッグ王者ドルフ・ジグラー、ロバート・ルード組を撃破。WWE初の親子タッグ王者が誕生した。ミステリオJr.は家族総出でセス・ロリンズとの抗争を繰り広げながらドミニクをバックアップし続け、自らも表に出る「ステージパパ」として王座獲得まで実現した。

WWE殿堂入りの中で、54歳となった今もゴールドバーグは最高の状態を保っている数少ない選手だろう。ゲイジ君の成長次第では近い将来、親子タッグも可能。4~5年後にはミステリオ親子に続き、王座を獲得できるようなゴールドバーグ親子による「超人類」タッグが誕生するかもしれない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)