優勝戦線に踏みとどまった。AブロックのIWGP世界ヘビー級王者鷹木信悟(38)がKENTAを破り、3勝目(不戦勝1)を挙げた。

終盤痛めた右腕のサポーターを外して気合を入れると、パンピングボンバーで豪快に振り抜き、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンで粘るKENTAから3カウント。「これで3勝1敗。決勝に残るチャンスはまだあるよな。優勝に向かって前進するのみだ」と高らかに叫んだ。

23日セイバーJr.戦でまさかのギブアップ。痛めた右腕のダメージは大きく、KENTAに徹底的に攻められた。レフェリーの見ていない隙にパイプ椅子でたたきつけられるなど、終始腕を押さえながらの戦い。「真っ向勝負かと思ったらスカしたり。読めないからしんどかった」。古傷を攻められるのはプロレスでは当たり前。「激烈なG1、まだまだ暴れるぞ」と元気はつらつおじさんは決して弱音を吐かない。

次戦は3日、飯伏と対戦する。7月25日にタイトルマッチを行う予定だったが、飯伏の誤嚥(ごえん)性肺炎により流れた。同い年のライバルを「いずれタイトルをかけて戦わないといけない相手」と警戒し、今大会に臨んだ。シングル対決は昨年10月のG1で勝利して以来1年ぶり。9月に復帰し、3連覇へ調子を上げてきた飯伏に対し「最近は、どうも物足りないし、魅力がない。俺はリハビリに付き合うつもりはない」。手加減せずに、王者の強さを見せつける。【松熊洋介】