史上初の3連覇を狙う飯伏(いぶし)幸太(39)が、O・カーンを下し、6勝目で大目標に前進した。20分22秒、カミゴェからの片エビ固めで勝利した。

激闘に次ぐ激闘だった。飯伏はボクシングスタイルでパンチからの後ろ蹴りを見舞う。しかし、O・カーンもひるまず、主導権を奪いにきた。

試合後はロープにもたれ、しばらく動けないほどのダメージを示した。コメントスペースでも座り込み、「ああやばい、やばい。久しぶりにプロレスを堪能しました。いやあ、久々に体重差っていうのがありましたね、はい。競技としてのプロレスができたというか」と充実感を口にした。

コロナ禍も含め、苦難の1年を締めくくるべく歩みを進めた。今年7月に誤嚥(ごえん)性肺炎を発症。見せ場となる試合で欠場を余儀なくされたが、V3がかかる今大会できっちり復帰を果たしてきた。だれも成し遂げていない偉業へ、その歩みを止めない。【実藤健一】