16年ボクシング世界ユース選手権(フライ級)で日本人初制覇を成し遂げた堤駿斗(22=東洋大)が、世界4階級制覇王者井岡一翔も所属する志成ジムからプロ転向すると13日、発表された。同日に都内の所属ジムで会見した堤が正式表明し「小学5年からボクシングを始めてプロで世界王者になるのが夢だった。世界王者になるのは大前提でボクシングの良さをしっかり知ってもらえる『魅せる』試合をしたい」と意気込んだ。

4月26日にプロテスト(B級=6回戦)を受験。今夏にプロデビュー戦が予定されている。プロではスーパーバンタム級か、フェザー級を主戦場にする見通し。好きな選手の1人として挙げた現WBO世界スーパーフライ級王者井岡は同門の先輩となり「(話を)聞く機会があれば話したり、悩んだりしたらアドバイスをいただけたら」と期待。将来的に海外での試合にも意欲的で「パウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)ランキングの上位を目指したい」と目標を掲げた。

千葉・習志野高2年時、世界ユース選手権フライ級を制覇。高校6冠、全日本選手権でも井上尚弥以来6年ぶりに高校生で優勝を飾った。東洋大に進学し、20年3月の東京オリンピック(五輪)アジア・オセアニア予選で敗れて五輪出場は果たせなかったが、逸材として注目されてきた。3歳年下の弟麗斗も東洋大に進学し、世界ユース選手権ライト級で優勝している。

堤は「弟はパリ五輪を目指している。弟がパリに出る前には世界王者になって刺激を与えられる関係でいたい」と2年後には世界ベルトを巻いている自分自身をイメージした。幼少から中学1年まで空手、キックボクシングで、無敗の格闘家・那須川天心と一緒の道場(ジム)で練習しており、幼なじみの関係にある。6月以降に那須川がボクシング転向することもあり「対戦オファーがきたら? やりたいですね」と意欲を示していた。

 

◆堤駿斗(つつみ・はやと)1999年(平11)7月12日、千葉市出身。小学5年で空手からボクシングに転向。キックボクシングも並行して続け、同じジムには格闘家那須川天心と一緒に練習。中学2年からボクシングに専念。U-15、アンダージュニア、全日本アンダージュニア王座決定戦などで全国制覇。習志野高時代はフライ級、バンタム級で高校6冠を達成し、全日本選手権制覇も成し遂げた。アマチュアは13冠。家族は両親と兄、弟。身長171センチの右ボクサーファイター。