ノアの最強戦士決定戦「N-1ビクトリー2022」の開幕戦が行われ、史上初の3連覇を目指す元GHCヘビー級王者の中嶋勝彦(34)が、因縁の相手であるマサ北宮(33)を下す好スタートを切った。

大会のオープニングマッチとなったBブロック公式戦で対戦。北宮は、健介オフィス時代から兄弟弟子として切磋琢磨(せっさたくま)してきたが、昨年5月に2度目の裏切りにあい、敗者髪切り金網デスマッチやGHCヘビー級選手権試合などで火花を散らしあってきた相手だ。

ともにN-1参戦は4年連続4度目、簡単な戦いとはいかなかった。序盤は、北宮の荒々しいファイトの前に防戦一方。足を痛めつけられ、得意の蹴りにも力が入らなかった。それでも、ハイキックからの強烈なびんたでノックダウンすると、最後は10分36秒、必殺のヴァーティカルスパイク(垂直落下式ブレーンバスター)を突き刺し、3カウントを奪った。

昨年のリーグ戦で史上初の2連覇を達成した中嶋は、覇者の底力を見せつけた。「あいつとはいろいろあったけど、俺の大事なN-1で、あいつにつまずくわけにはいかない」と「N-1男」の自負を示した。そして「俺にしかできないものがあるんだ。俺にしか届けられないものがあるんだ。これからも俺から目を離すな」と、不敵な笑みをたたえながら3連覇を誓った。

N-1ビクトリーは、2010年にグローバルリーグ戦として誕生。19年から現在の名称に改称された。今年は「観測史上、最強気温」と銘打って行われ、A、Bブロック合わせて16人がエントリーした。28日までリーグ戦が行われ、9月3日の大阪大会(エディオンアリーナ大阪)で両ブロック1位同士で優勝決定戦を行う。中嶋は次戦、13日の大阪大会(同)で「金剛」の同門となる船木誠勝と対戦する。