プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)の幼なじみで元Jリーガーの山口聖矢(29)が29日、東京・後楽園ホールで大橋ジムからボクシングのプロテスト(C級=4回戦)を受験し、合格した。

大橋秀行会長(57)をはじめ、井上の父真吾トレーナー(51)、井上のいとこで元日本スーパーライト級王者の浩樹(30=大橋)らが視察する中、サウスポーの受験者を相手に2回のスパーリングなどの実技を消化し「ジャブ、ワンツーをみせたかった。井上家の面目もあるので、ボクシングで頑張っていきたい」と意欲を示した。

井上とは幼稚園の年少からの付き合いで、長い間、井上、弟拓真(26=大橋)、浩樹ともロードワークや合宿などを一緒にやってきた間柄。ギリギリまでプロテスト視察を希望していた井上本人から「基本をしっかりやれば大丈夫」と激励を受けていたという。18年いっぱいでJ3相模原を退団後、2年間は実家が営む自動車整備会社に勤務し「何も(スポーツを)していなかった」と明かす。今年1月、年始に井上と会った際にボクシング転向を勧められて決断した。

プロテストを見守った浩樹は「サッカーをやってきただけあり、足腰が強いのが1番。パンチも僕ももろにもらったらやばいですね」と潜在能力の高さを口にした。今回は70キロ(スーパーウエルター級)でプロテストを受けた山口だが、ライト級を主戦場にする予定。まだプロデビュー戦など詳細は決まっていないものの「サッカー時代から戦う系のプレースタイルだった。新人王を目指して頑張りたい」と抱負を口にした。

大橋会長は「左フックが1番いいパンチ。今年1月からボクシング始めて、うちのジムでは最速のプロテスト受験になるかもしれない。1カ月後にはぐんと伸びていた」を大きな期待を寄せていた。