プロボクシング元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(37=帝拳)が28日、都内のホテルで現役引退会見に臨んだ。

プロ19試合で一番思い出に残る試合として13年8月のプロデビューの相手となる当時の東洋太平洋ミドル級王者柴田明雄氏の名前を挙げた。

村田が「デビュー戦というのは一番印象深い。ゴロフキン、エンダムとか、いろいろ思うところはあるが、一番感謝しているのはデビュー戦の柴田さん」と口にした。

現役のアジア王者がデビュー戦の相手を受けてくれたことに「ボクとやる必要はなくて、12回戦の選手なのに6回戦をのんでくれた。あの試合をのんでくださり、ぼくが勝てて免罪符をもらい、キャリアをつくることができた。柴田選手に対しては感謝の気持ちを持っている。あの試合で負けたら究極の『でおち』だと思う、負けたら一番笑えないじゃないですか。一番緊張しました。受けなくていい試合を受けてくれた試合を受けてくれて感謝しています。印象深い試合です」と振り返った。

12年ロンドン五輪ボクシング男子同級金メダルを獲得し、日本初の五輪金メダリストでプロ世界王者となった村田は2月16日、所属ジムの本田明彦会長(75)に正式な引退意向を伝えて了承され、3月中に引退会見する予定となっていた。

22年4月に臨んだ世界ミドル級最強と言われるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とのWBAスーパー、IBF世界同級王座統一戦での9回TKO負けがラストマッチとなった。