47戦無敗の人気格闘家からプロボクサーに転向し、デビュー戦を白星で飾った那須川天心(24=帝拳)が9日、都内で一夜明け会見に臨んだ。

8日に東京・有明アリーナで行われたスーパーバンタム級6回戦で、日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)に3-0で判定勝利を収めた。2回に右フックでダウンを奪う完勝だった。

一問一答は以下の通り。

 

-昨夜はどんな時間を過ごしたか

「いつもは足やすねが痛くなるけど、全然痛くない。パンチももらっていないので顔のダメージもない。ほぼダメージはゼロ。痛みはないけど拳が少し熱を持っている程度」

-白星デビューの率直な感想は

「ホッとした。ボクシング転向会見から半年、昨日のためにずっと生きてきた。疲労のピークを何度も迎えたけど、壁を越えられた。そして結果を出して、みんなの前で証明できた」

-今までにない感情か

「別の感情。今までやったことないことを、みんなの前で、しかもいきなり大きな舞台でやった。自分にすべて任されたという感覚だったので、やるしかないと。選手としてもそうですが、一人の人として成長できたかなと思う」

-試合で自分らしさが一番出たところは

「キック時代からパンチをもらわずに当てることを意識して戦ってきたので、その点はよかった。変わったタイミングでパンチも出せたと思う」

-全ラウンドでポイントを取ったという意識か

「全部取ったという感じはある。ジャッジ1人が1ラウンドだけ相手にポイントを付けていたけど、オレは(パンチを)もらってないよ」

-試合の映像は見たか。

「見た。意外にちゃんとボクシングができていた。練習でやってきた通りに動けていた」

-良かったところと、もっとできたという点は

「(良かったところは)ステップが変わったこと。課題にしていた足の幅や、動き方や、パンチに対する反応などは練習通りにできた。拳にしっかりとパワーを乗せる打ち方で、あと半歩踏み込めなかった。練習ではやっていたけど、経験を積むしかない」

-6回戦でペース配分を意識したか

「4回が終わって『あと何ラウンドありますか』と聞いたほどで、ラウンドにはこだわっていなかった」

-ボクシングに転向して体つきで一番変わったところは

「上半身がパンチの筋肉になってきた。キック時代は足がめちゃくちゃ太かったので、それがスマートになった」

-初めてボクシングの興行に出場した感想は

「アウェーな感じはしなかった。やり方次第でホームになる。キックだから、ボクシングだからという感じはしなかった」

-試合前に「デビュー戦はボクシング界からの果たし状」と語っていた

「(果たし状を)しっかり受け取ることができた。次はもっとお客さんもワクワクするように、強くなりたい」

-『ボクシングファン』というコメントをよくするが、意識する理由

「ずっとボクシングを見てきた人たちからすると(自分は)外敵がきたということになるので、そこにお邪魔するという感覚はある。ボクシングの根強いファンにも認められるようなことをしなければならない。認められるためにやるわけじゃないが、格闘技は結果がすべて。だから面白い」

-ボクシング挑戦はやりがいがあるか

「やりがいがある。こんなに自分を熱くさせてくれるボクシングに感謝している。デビューしたばかりで、これからいろんなことがあるが、強くなることだけを考えてやっていく。どんなストーリーが始まるか楽しみ。見ている周りの人も一緒に成長するという、育成ゲーム」

-今一番したいことは

「試合が終わった瞬間にシャドーボクシングをした。ボクシングをすぐやりたいというのもある。ただ、ずっとやってきたので、1回ちょっと休んで、旅でもしたいと思います」

-次の試合は8回戦の可能性もあるが、どんなトレーニングをしていくか

「スパーリングや走り込みの合宿をやると言われたので楽しみ。ラウンドが増えてもしっかり対応できるよう日々やっていくだけ。スパーリングでの最長は7ラウンドだけど、昨日の感じだとまだ全然できるなと思いました」

-今後はこれまでのようにタイミングや切れで倒すパンチを磨くのか、力で倒すパンチを磨くのか

「無理に変えようとは思わない。自分の感覚、タイミングを研ぎ澄ませ、ミット打ちもしっかり倒せるようなスピードやタイミングを狙った練習をしていきたい」

-今後の目標は

「強いやつと戦いたいので、強さを求めて、強い選手を全員倒せるようにやっていきたい」