元WBC世界ライトフライ級王者でIBF世界同級2位の矢吹正道(31=LUSH緑)が、413日ぶりの復帰戦を4回TKOで飾った。

元WBO同級世界ランカーのケビン・ビバス(28=ニカラグア)と対戦。3回に左フックでダウンを奪い、4回はコーナーに詰めてのラッシュ。レフェリーが試合を止めて2分41秒TKO勝ちした。矢吹の戦績は16勝(15KO)4敗となった。

「減量が思ったより大変で、足もそこまで使えない中、格下の相手なので力んでしまった。倒せてよかったが内容的には50点。もう少し弱らせてからと思ったけど、久々の試合だったんで」

矢吹にとって、昨年1月28日にIBF世界ライトフライ級挑戦者決定戦でロナルド・チャコン(ベネズエラ)に11回TKO勝ちして以来の試合だった。世界へ再挑戦の道筋を描いた直後、5月の練習中に左アキレス腱(けん)を断裂した。一時は引退も真剣に考えた末の現役続行。再び世界に挑む夢をあきらめず、その可能性を現実にできるのか、自身を試す勝負だった。

「目標はもう1度世界王者。世界一の男になります。今回のパフォーマンスは全然なんで次の試合では100%になるよう頑張ります。次戦で世界戦ができなかったら階級上げます」。一時は折れかけた心も完全復活。再び世界への歩みを始めた。【実藤健一】