プロボクシングWBC世界ミニマム級王者重岡優大(26=ワタナベ)が2度目防衛戦の調整で練習パートナーを務めてくれた日本ユース・ライトフライ級王者坂間叶夢さんを悼んだ。31日、名古屋国際会議場で同級6位メルビン・ジェルサエム(29=フィリピン)とのV2戦を控え、19日には東京・五反田の所属ジムで練習を公開。18日に発表された坂間さんの死去に大きなショックを受けたことを明かした。

報道陣から坂間さんの死去を伝え聞いた重岡は「すみません…」と目を赤くしながら泣いていた。31日のジェルサエム戦に備え、今年2月に坂間さんと本格的なスパーリングに臨み、インスタグラムもフォローし合うなど良い関係性を築いていた。流した涙をタオルでぬぐいながら重岡は「ショックですね。悔しいですね。今回(のスパーリングで)、仲良くなれたのがうれしかったから」と言葉を詰まらせた。

坂間さんの人柄についても「明るいし、みなさんも良い印象しかないと思う。でも人はどこかで傷ついて何かを抱えている。ボクサーは減量中は孤独を抱えているし、孤独な競技。あれだけのクオリティーのある選手はそれだけやってきたから。ボクシングとの向き合い方が違うと思う。彼のことは忘れない。間違いなく今回、俺と(弟)銀次朗はお世話になったので。俺はやることやる」と感謝の気持ちを胸に秘め、31日の2度目防衛戦に臨む姿勢を示した。【藤中栄二】