筋肉増強効果のある薬物使用でRIZINから出場停止処分を受けていた木村“フィリップ”ミノル(30=Battle-Box)が、K-1ワールドMAX世界トーナメント04年、06年王者、元WBCムエタイ世界スーパーミドル級王者の“生ける伝説”ブアカーオ・バンチャメーク(41)とキックボクシングルールで復帰戦を行い、2R壮絶KO負けした。

試合開始のゴングが鳴ると攻勢に出たのは木村。出場停止前と変わらぬ左右のパワフルなパンチをブアカーオに打ち込み、ブアカーオの足を止めた。だが1R後半にはブアカーオが反撃。ローキック、カーフキック、膝を木村にたたき込み、ダメージを与えた。

2Rになるとブアカーオがさらに攻めた。木村を膝でふらつかせると、最後はローキック、前蹴りから左右ワンツー。強烈な右ストレートで木村をマットに沈めた。

試合後には木村と舌戦を繰り広げてきた安保瑠輝也がリングに登場。「おい木村、クスリ使ってブアカーオに勝てんと、どういうことやねん!」と叫び、続けて「ブアカーオ選手、もう一回、俺と戦ってくれませんか。(23年5月のRIZINで)俺たちドローだったんで決着つけましょう」とアピール。ブアカーオも日本語で「はい」と答えて対戦を承諾した。

ブアカーオは「応援に来てくださったみなさん、ありがとうございます。今日はみなさんの記憶に残る試合ができたと思います。私はまだ強いです」と笑顔で話した。

木村は昨年6月にドーピング違反が発覚し、RIZINから6カ月の出場停止処分を科されていた。再検査で“シロ”となることを条件に、大みそかのRIZIN45で安保瑠輝也戦が組まれた。だが米国での再検査で、少量ながら再び筋肉増強作用のある薬物が検出され、安保戦は中止となった。

木村は今年2月に再びドーピング検査を行い、陰性が確認された。そのため今回の試合が組まれた。ただ、この試合前にもう1度、検査が行われており、仮にそれが陽性だった場合にはRIZINから“追放”される。